クレジットカードを利用することで、お金の持ち運びを軽減できたり、ボーナス払いや分割払いができたりするなど、非常に役立ちます。
特に、クレジットカードを利用するメリットとしては、ポイントなどによる還元ですが、「税金」も実はその対象です!クレジットカードで税金を支払うことで、ポイント還元を受けることができるなど、現金払いよりもお得なメリットが多数存在します。
一方で、利用する前に知っておきたいデメリットもあるので、この記事では、クレジットカードを使用して税金を支払う際のポイントや、方法について詳しく解説していきます。
クレジットカードを使用して支払える税金は?
クレジットカードで税金が支払えるようになったのは、2016年の税制改正により可能になりました。しかし、全ての税金がクレジットカードで支払えるわけではなく、対象の税目が国税・地方税それぞれ決まっています。
まず初めに、クレジットカードで支払うことができる税金について知っておきましょう。
国税
クレジットカードで支払うことができる国税は、以下のような税目が対象です。
- 申告所得税及復興特別取得税
- 消費税及地方消費税
- 法人税
- 法人税(連結納税)
- 地方法人税
- 地方法人税(連結納税)
- 相続税
- 贈与税
- 源泉所得税及復興特別所得税(告知分も可)
- 源泉所得税(告知分も可)
- 申告所得税
- 復興特別法人税
- 復興特別法人税(連結納税)
- 消費税
- 酒税
- たばこ税
- たばこ税及たばこ特別税
- 石油税
- 石油石炭税
- 電源開発促進税
- 揮発油税及地方道路税
- 揮発油税及び地方揮発油税
- 石油ガス税
- 航空機燃料税
- 登録免許税(告知分も可)
- 自動車重量税(告知分も可)
- 印紙税
- 国際観光旅客税(告知分も可)
確定申告を毎年している方も多いですが、その際に必要な源泉所得税をカード払いしている方も多いです。インターネットで受付ができるので、税務署に行かずとも便利に納付できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
地方税
地方税をクレジットカードで払う場合には、各自治体によってカード払いできる税目が異なるので注意が必要です。
東京都 | 大阪市 | 川崎市 |
自動車税・自動車税種別割固定資産税・都市計画税固定資産税(償却資産)個人事業税不動産取得税法人都民税・法人事業税 | 個人市・府民税固定資産税・都市計画税固定資産税(償却資産)軽自動車税自動車税・自動車税種別割 | 個人市・府民税固定資産税・都市計画税固定資産税(償却資産)軽自動車税自動車税・自動車税種別割 |
上記のように、東京都、大阪市、川崎市を例にまとめたものですが、クレジットカード払いできる地方税がそれぞれ自治体によって定められています。地方税をクレジットカードで決済する場合には、お住まいの自治体HPより決済が可能か事前に確認するようにしましょう。
地方税で多く利用されているのは、自動車税が最も利用の多い税金です。毎年4月〜5月を目処に納付書が届きますが、自動車税はほとんどの自治体でクレジットカード払いができます。
ただし、自動車税をはじめ、税金の支払いには手数料がかかります。クレジットカードで税金を支払う前にあらかじめ知っておく必要があるポイントですので、後述しているデメリットについてもご覧ください。
クレジットカードで税金を納付するメリット
クレジットカードで税金を納付することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。クレジットカードで税金を納付するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- クレジットカードのポイントを貯められる
- いつでも税金を納付できる
- 税金の支払いをカードで一元管理できる
- 分割払いができる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
クレジットカードのポイントを貯められる
クレジットカードで税金を支払うことで、そのカードの基本還元率分のポイントを貯めることができます。
- 楽天カード:1.0%
- Yahoo!カード:1.0%
- JCB CARD W:1.0%
- dカード:1.0%
- リクルートカード:1.2%
上記のように、それぞれの人気のクレジットカードで税金を支払っても、上記の還元を受けることができるため非常にお得です。
特に、税金の支払いになれば、人によっては高額なケースも珍しくないので、その分還元を受けることで無駄なく支払いをすることができるでしょう。
ただし、カードによっては、税金の支払いはポイント対象外のカードもあるので、お持ちのカードについては決済前に確認しておくようにしましょう。
いつでも税金を納付できる
税金の納付で最も主流なのが、納付書による銀行窓口やコンビニでの支払いですが、クレジットカードで税金を支払うことでいつでも納付できるメリットもあります。
クレジットカードであれば、インターネットから手続きができるので、ネット回線が繋がればいつでもどこでも納付が可能です。
わざわざ納付するために足を運ばずに済むため、無駄な時間を省くことにも繋がります。
税金の支払いをカードで一元管理できる
クレジットカードで税金を支払うことで、管理がしやすくなることもメリットの一つと言えます。
クレジットカードでは、インターネットやアプリで過去の明細を見ることができるのが近年の主流で、利用した明細の管理が非常にしやすくなっています。
会計サービスとの連携ができるクレジットカードも珍しくないので、プライベートだけでなく仕事用として使っている方も管理がしやすくなるでしょう。
また、税金を支払う際に登録するサイト(e-taxやYahoo!公金支払い等)を介して、支払った税金のメール通知が届くので、電子記録として残すことができ、振り返って確認がしやすいこともメリットと言えます。
分割払いができる
クレジットカードで税金を支払う際には、一括払いが基本になりますが、決済後の手続きを利用することで分割払いも可能です。
クレジットカードで税金を支払った後、カード会社へ電話またはインターネットから手続きすることで、リボ払いへの変更ができます。
そのため、一括での支払いが難しい方でも分割で支払うことができるので、支払いを軽減したい時には便利に使えます。
ただし、手数料がかかるのでどうしても必要な時に使うのが望ましいでしょう。
クレジットカードで税金を納付するデメリット
クレジットカードで税金を支払う際には、注意しなければならないデメリットもいくつか存在します。
クレジットカードで税金を納付するデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 手数料が必要になる
- クレジットカードで税金が支払えないケースがある
- クレジットカードでの納税は領収書が発行されない
- 手続きの取り消しができない
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
手数料が必要になる
クレジットカードで税金を支払うとメリットもある一方で、手数料が必ずかかるというデメリットもあります。
クレジットカード決済でかかる税金の手数料は、国税や地方税の各自治体、金額によって異なるので、それぞれ紹介していきます。
国税に必要な決済手数料
前述したクレジットカードで支払うことができる国税には、主に税額によって手数料の金額が異なります。
【国税】
カード決済料金 | 決済手数料 |
1円〜10,000円 | 83円(税込) |
10,001円〜20,000円 | 167円(税込) |
20,001円〜30,000円 | 250円(税込) |
30,001円〜40,000円 | 334円(税込) |
40,001円〜50,000円 | 418円(税込) |
※以降、料金が10,000円増えるごとに決済手数料が加算されます。
上記のように10,000円ごとに、約83円の手数料がかかるため注意が必要です。
そのため、クレジットカードの還元率が1.0%のカードであれば、ポイント還元率の方が手数料を上回りますが、0.83%以下のカードであれば手数料の方が高くなるので、注意しておきましょう。
地方税に必要な決済手数料
地方税に必要な決済手数料を、一部自治体を例に、以下にまとめました。
【東京都】
カード決済料金 | 決済手数料 |
1円〜10,000円 | 80円(税込) |
10,001円〜20,000円 | 160円(税込) |
20,001円〜30,000円 | 240円(税込) |
30,001円〜40,000円 | 321円(税込) |
40,001円〜50,000円 | 401円(税込) |
※以降、料金が10,000円増えるごとに決済手数料80円が加算されます。
【大阪市】
カード決済料金 | 決済手数料 |
1円〜5,000円 | 0円 |
5,001円〜10,000円 | 41円(税込) |
10,001円〜20,000円 | 125円(税込) |
20,001円〜30,000円 | 209円(税込) |
30,001円〜40,000円 | 292円(税込) |
40,001円〜50,000円 | 376円(税込) |
※以降、料金が10,000円増えるごとに決済手数料84円が加算されます。
【川崎市】
カード決済料金 | 決済手数料 |
1円〜5,000円 | 38円(税込) |
5,001円〜10,000円 | 77円(税込) |
10,001円〜20,000円 | 154円(税込) |
20,001円〜30,000円 | 231円(税込) |
30,001円〜40,000円 | 308円(税込) |
40,001円〜50,000円 | 385円(税込) |
※以降、料金が10,000円増えるごとに決済手数料77円が加算されます。
どこの自治体も大きな差はありませんが、10,000円ごとに約77円〜84円の手数料がかかります。
国税の時に説明したように、地方税でもポイント還元率より手数料が上回るケースがあるため、使用するカードの還元率を事前に把握した上で使うようにしましょう。
また、自動車税についても普通車であれば、1件あたり330円の手数料、軽自動車であれば1件あたり100円前後の手数料がかかります。
特に普通車の場合は、自動車税が30,000円〜100,000円と幅広いですが、金額が安い自動車税ほど、ポイント還元率よりも手数料の方が高くなるケースが多いので注意しておきましょう。
クレジットカードで税金が支払えないケースがある
クレジットカードで税金が支払えるようになったのは、2016年からなので年々対応できる自治体も増えているものの、住んでいるエリアによっては支払えないケースもあります。
そのため、初めて税金をクレジットカードで支払う時には、事前に確認して利用するようにしましょう。
クレジットカードでの納税は領収書が発行されない
クレジットカードで納税した場合には、領収書が発行されないことにも注意が必要です。
各税金の領収書が必要な場合には、必ず金融機関や税務署、コンビニエンスストアで現金払いをする必要があるので注意しましょう。
ただし、税目によっては納税証明書を発行してくれるものもあります。
例えば、自動車税などは、車の使用者管轄の役所で申請することで、納税証明書の発行が可能です。
納税証明書の発行における注意点としては、
- 種類によって費用がかかる
- クレジットカード決済が反映された後でなければ発行不可
上記の2つがあります。
お住まいの自治体により、発行手数料がかかることやクレジットカード決済したことで、納付完了までの時間を要すため注意しておきましょう。
手続きの取り消しができない
クレジットカードで税金を支払った場合、原則決済の取り消しはできません。
何らかを理由にクレジットカードで支払った税金を取り消したいと思っても、取り消しができないため、利用前にあらかじめ手数料やクレジットカードの枠など、事前に確認して利用するようにしておきましょう。
税金の納付をクレジットカードで行う方法
クレジットカードで税金を支払う際の方法としては、いくつか方法があります。
よく利用されている代表的な方法について紹介していきます。
「Yahoo!公金支払い」を利用する
「Yahoo!公金支払い」では、税金の支払いをはじめ「NHK放送受信料」や「水道料金」も支払うことができます。Yahoo! IDを持っている方であればすぐに利用することができますし、まだお持ちでない方も5分もあれば取得できるので、すぐに利用できるサービスと言えます。
Yahoo!公金支払いで登録できるクレジットカードは、
- JCB
- Visa
- Mastercard
- American Express
- Diners Club
上記の通り国内で利用されている国際ブランドは、ほぼ利用することが可能です。
「Yahoo!公金支払い」を利用して自動車税や各種税目の支払いが可能
Yahoo!公金支払いでは、自動車税や各種税目を地域もしくは税目の種類から検索して、各種ページにリンクしているので、非常に分かりやすいのが特徴です。
また、納付したい税目を選ぶと、そこからお住まいの都道府県を選択することで、各自治体の手数料などの詳細が表示され、事前に内容の確認ができて安心して使うことができます。
「地域から探す」では、都道府県を選択するとクレジットカードで納付できる税目が表示されるので、カードで納付できる税目の可否が一目で分かるのも非常に親切です。
Yahoo!公金支払いで納付できる税金はたくさんありますが、自動車税に関しては、自治体によって「トヨタファイナンス」のサービスを利用している場合には、Yahoo!公共支払いでは納付できないところも多いので注意しましょう。
各自治体のホームページから手続きをする
「Yahoo!公金支払い」の決済サービスで、納付できない税目は、前述したように「トヨタファイナンス」などの決済会社が自治体と直接契約して、サービスを提供しているため、直接自治体のHPから手続きする税目も少なくありません。
これらの契約に関しては、各自治体によるため「Yahoo!公金支払い」でお住まいの自治体がなければ、直接ホームページから手続きする必要があるでしょう。
この場合、納付する度にクレジットカード情報の入力する必要があるため、注意が必要です。
まとめ
クレジットカードを使用して税金を支払うメリットやデメリットについて解説してきました。
クレジットカードを使用して税金を支払うことのメリットをおさらいすると以下の通りです。
- クレジットカードのポイントを貯められる
- いつでも税金を納付できる
- 税金の支払いをカードで一元管理できる
- 分割払いができる
特に、納税でポイントを貯めることができるのは、クレジットカードならではの特典と言えるので、普段からポイントを貯めている方は非常におすすめです。
ただし、クレジットカードを使用して税金を支払うことで、手数料を支払う必要もあるので、ポイント還元率を加味しながら上手く利用することで、お得に税金も支払うことができるでしょう。