近年は学生向けクレジットカードが多数登場し、学生でもクレジットカードを保有しやすくなりました。しかし、クレジットカード選ぶ際の基準を知らなければ、学生が使いづらいクレジットカードを発行してしまい、カードを使えなくなる恐れがあります。
この記事では、学生がクレジットカードを選ぶ基準について説明します。また、おすすめできる学生向けクレジットカードについても紹介します。これからクレジットカードを保有したいと考えている人は、選ぶ基準を理解してからクレジットカードを選んでみましょう。
学生でもクレジットカードが持てる?
学生はクレジットカードが持てないような印象を持ちやすいものの、実はクレジットカードは持てます。
クレジットカードというのは、持つための条件というのが存在します。この条件さえ達成していれば、学生でもクレジットカードを持てるようにしています。一方で、学生以外でも条件を達成していない人はクレジットカードを持てないようにしています。
学生の場合は、クレジットカードの支払いがしっかりできるか判断しづらいため、審査基準は厳しくなります。安定して収入を持っているなどの要素がなければ、学生がクレジットカードを持つのは難しくなるでしょう。
現在クレジットカードを発行するために必要な最低条件は以下の通りです。
- 18歳以上であること
- 高校生ではないこと
- 口座引き落としによる返済ができること
- 身分証明が出来ること
こうした条件を達成すれば、学生でもクレジットカードを持てる可能性があります。
すべてのクレジットカードは18歳以上という条件が適用されており、条件を達成していない人は審査すら受けられません。また、高校生についてはクレジットカードの保有が認められていないため、18歳以上でも高校生だった場合は審査に落とされます。
また、クレジットカードは銀行口座による引き落としが行われますので、口座引き落としに対応できる必要があります。口座引き落としができないようであれば、何らかの形で引き落とし用の口座を準備しなければなりません。
最後に身分証明などが可能となり、学生であっても身分がしっかり証明できる状況が作られる必要があります。身分証明がしっかりできるようであれば、後はクレジットカードの審査を受けて、問題なしと判断されれば学生でもクレジットカードが手に入ります。
ただ、これらの基準を達成しても、一般向けに発行されているクレジットカードは審査基準を突破するのは難しくなっています。そのため、学生用のクレジットカードで審査を受けるなどの対応を検討しなければ、クレジットカードを持つのは難しいでしょう。
学生がクレジットカードを持つメリットとは
学生がクレジットカードを持つメリットとしては、これからの時代に対応した決済方法が使える点にあります。これからはお金を持たなくても決済できる方法が主流となる可能性があるため、クレジットカードによってその決済方法を覚えていくのは良いところでしょう。
また、クレジットカードを利用していくことで、お金の使い方も学べるようになります。クレジットカードを使っていくことにより、どれくらいお金を使うと生活に影響するのかがわかるようになっていきます。将来的にお金の使い方で失敗しないための対応が取れるのです。
他にもクレジットカードに用意されているポイントを貯めることで、色々な商品と交換や買い物時の金額を安くできるメリットを持っています。クレジットカードには様々なメリットが存在しますが、特に大きなメリットとなる3つの項目についてチェックしておきましょう。
お金の管理や使い方を学べる
クレジットカードを持つことにより、学生でもお金の管理や使い方が学べるようになります。
学生というのは、お金を得たとしてもどのように使っていけばいいかまだわかっていないケースが多く、適当にお金を使って生活に大きな影響を及ぼすケースも発生します。クレジットカードを持つことにより、利用した金額の履歴などが残されますので、正しいお金の使い方を確認できるようになります。
毎月のクレジットカード支払明細以外にも、カードを利用するとその時点で利用した履歴が残されるようになっているクレジットカードもあります。利用した履歴がしっかり残されるカードであれば、お金の使いすぎを把握できるため、カードの使いすぎを防げるようになります。
また、クレジットカードを使い続けることで、今月の引き落とし額を生活に反映させられるようになります。今月の支払いを生活に反映させていくことで、現在の収入でどこまでお金を使っていくのが良いのか判断できます。繰り返し覚えていくことで、お金の管理を知識として得られるようになります。
お金の管理はすぐにできることではありません。積み上げていったものを生活に反映させていくしかないのです。早めにクレジットカードでお金の管理が学べるようになれば、将来的にお金の使いすぎなどで苦しむ状況が起こりづらくなり、失敗を防ぎやすくなるでしょう。
キャッシュレス社会に順応できる
現代はキャッシュレス社会と言われていますが、キャッシュレス社会に対応できるのはクレジットカードのメリットと言えます。
クレジットカードは現金を利用して支払う方法ではありません。カードを提示して決済を行うため、手持ちの現金が足りない場合でも支払いが可能となっています。また、カードを提示するだけですので、現金を支払うよりも短時間で支払いを完了させられる可能性もあります。
今のキャッシュレスは、電子決済サービスなども導入されています。ただ、決済サービスを利用するためには、クレジットカードによるチャージが必要となるものも多数あります。チャージが必要とされているサービスを利用するためにも、クレジットカードというのは重要なものとなります。
クレジットカードを持っていれば、カードを提示してキャッシュレスが可能となるほか、クレジットカードを利用して決済サービスへチャージを行い、別のサービスを経由してキャッシュレスを達成する方法もあります。こうした多方面でのキャッシュレスが可能となっているのも、クレジットカードのメリットと言えるでしょう。
ポイントを貯めることができる
3つ目のメリットとして、クレジットカードのポイントを貯められるようになります。
クレジットカードにはポイント制度が用意されています。ポイントを貯めることにより、商品と交換できるシステムが用意されている場合もあります。また、クレジットカードのポイントを買い物に使える場合があります。これまでに貯めたポイントを使って安く買い物ができるようになります。
クレジットカードによって、ポイントのルールは大きく変わります。ポイントを商品と交換するシステムを採用している場合もあれば、貯まったポイントを使って買い物代金の割引が可能となるタイプもあります。ポイントについてはしっかり使い方を確認し、対応できるようにしたほうがいいでしょう。
どちらの方法でポイントを使えるとしても、クレジットカードを使い続けることでポイントを大量に貯められるようになり、狙っている商品との交換、または商品の購入が可能となります。クレジットカードを使うことによる目標も作れるようになるため、計画的にポイントを貯めながらクレジットカードを使えるようになるでしょう。
提供されるポイントについては、クレジットカードが持つポイント還元率に沿って提供されます。クレジットカードのポイント還元率が高いカードもありますが、あまり高く設定されていないカードもありますので、発行する際はポイント還元率をしっかり確認することをおすすめします。
クレジットカードを選ぶ基準・ポイントは?
学生がクレジットカードを選ぶ際は、カードを選ぶ際の基準やポイントを押さえる必要があります。何も知らないままクレジットカードへ申し込んでしまうと、審査に落とされてしまう可能性があります。また、使いづらいクレジットカードだと判断できないまま発行手続きを行ってしまい、使ってみると使いづらいと感じられる可能性があります。
クレジットカードを選ぶ基準やポイントとしては、主に以下の内容を確認する必要があります。
- 年会費
- ポイント還元率
- クレジットカードの特典や付帯保険
- ライフスタイル
こうした要素を加味して、クレジットカードを選んでいく必要があります。学生の場合、年会費とポイント還元率はなるべくチェックしたほうがいいものの、それ以外にもクレジットカードに用意されている特典があればしっかり見ておくと安心です。
また、クレジットカードの評判などもできる限り確認してください。ネット上には様々なレビューが掲載されており、クレジットカードのいいところや悪いところが把握できます。少しでもクレジットカードで失敗したくない時は、選ぶ基準に加えてカードのレビューもしっかり見ておきましょう。
年会費はいくらか?
最初に確認したいポイントとして、年会費がどれくらい必要なのか見ておきましょう。
クレジットカードというのは、カードを持ち続けるために年会費を支払う必要があります。年会費はクレジットカードごとに決められていますが、一般カードの大半は年会費が無料に設定されていますので、年会費の支払いはありません。
しかし、一部のクレジットカードは、一般カードでも年会費を支払う必要がありますので、年会費について確認していないと年会費を請求される可能性があります。学生にとって年会費は生活に大きな負担となりますので、年会費については無料のカードを選んだほうがいいでしょう。
年会費については、すべてのクレジットカードが基本情報として提供しています。クレジットカードを発行する前に年会費の記載は絶対確認しておきましょう。中には初年度無料としているものの、2年目以降はカードの利用や一定の金額以上の利用がなければ年会費を請求される場合があります。
なお、学生用のクレジットカードについては、基本的に年会費無料で提供されています。学生用のクレジットカードを発行するのであれば、年会費の項目に無料と書かれていれば問題ないものと判断して、他の部分でカードを選んだほうがいいでしょう。
ポイント還元率は?
次にポイント還元率です。クレジットカードを利用した時、どれくらいの割合でポイントが還元されていくのかチェックしておきましょう。
ポイント還元率はクレジットカードによってバラバラですが、クレジットカードに多くなっているのは0.1%~1%程度になります。この範囲の中にポイント還元率が入っていなければ、ポイントの還元率がかなり悪いと判断していいでしょう。なお、ポイント還元率が1%を超えるカードはほぼありません。
クレジットカードを利用した時、ポイント還元率が悪いとあまりポイントに成りませんので、ポイントをしっかり貯めたいと考えているならポイント還元率は必ずチェックしてください。還元率を確認しなかったことで、ポイントを上手に貯められなくなる可能性があります。
簡単な例ではありますが、ポイント還元率が違うだけで以下のような違いが発生します。
ポイント還元率0.1% | 1,000円で1ポイント還元 |
ポイント還元率1% | 100円で1ポイント還元 |
ポイント還元率が0.1%に設定されているクレジットカードは、1,000円を使わなければポイント還元を得られなくなります。一方で1%のクレジットカードは、100円で1ポイントの還元が可能となっているため、0.1%のクレジットカードに比べてポイントを貯めやすくなります。
基本的にポイント還元率は1%のカードを選んだほうが得をしますが、1%のカードでは商品と交換するタイプではなく、ポイントを買い物に利用する方法で使うものがあります。貯めたポイントをどのように利用していくのか、クレジットカードを選ぶ前にしっかり確認したほうがいいでしょう。
なお、クレジットカードによってはポイントサービスを設けていないものがあります。ポイントサービスを持っていないものは、ポイント還元は受けられませんのであまり得をしません。ポイント還元のないクレジットカードは避けたほうがいいでしょう。
特典や付帯保険から選ぶ
次にクレジットカードに用意されている特典や付帯保険を確認しておきましょう。
クレジットカードを発行した際に得られる特典は、利用する人に大きなプラスとなる可能性があります。具体的に得られる特典としては以下の通りです。
- ポイントを大量に貰える
- ギフト券などの金券が付与される
- ポイント還元率が一定期間だけアップする
こうした特典が用意されています。
ポイントを大量にもらえる特典については、買い物でポイントを利用できるクレジットカードで見かける特典です。クレジットカードを発行するだけでまとまったポイントが確保できる可能性もありますが、中にはクレジットカードの利用が確認できないとポイント配布が得られないものもあります。
ギフト券などの金券が提供されるものは、発行するだけでネット上で使えるギフト券などが提供されます。金額としては多くありませんが、買い物で使える可能性があるため、もらっておくのもいい方法でしょう。
あまり多くありませんが、クレジットカードのポイント還元率がアップする特典を持つクレジットカードもあります。ただ、こちらの特典はカードを積極的に使っていかないと特典によるポイントがあまり配布されないため、あまり恩恵としては大きくありません。
用意されている特典については、クレジットカードを発行する前にしっかり確認してください。クレジットカードを発行する際に条件を達成できるかも含めて確認しておかないと、本当にカード発行時の特典が得られない可能性もあります。自分が達成できるものから中心に選びましょう。
クレジットカードの付帯保険も確認しよう
クレジットカードには付帯保険が用意されています。主に海外旅行へ行く際に適用される傷害保険や紛失等の補償が準備されています。補償される金額については、クレジットカードによって異なります。補償される金額がなるべく多いものを選んだほうが、安心して海外旅行へ行けるメリットがあります。
また、学生用のクレジットカードでもしっかり補償してくれるものが用意されています。クレジットカードによる補償が受けられれば、もしもの時に金銭負担が軽減できる良さがあります。クレジットカードの付帯保険は確認するのが難しいものの、補償される内容をしっかり見てからクレジットカードを選んだほうがいいでしょう。
ライフスタイルから選ぶ
ライフスタイルもクレジットカード選びには重要となります。
積極的に外出し、カードを利用するような生活であれば、クレジットカードによるポイント還元が受けられるものを選んだほうがいいでしょう。ポイント還元率が高いカードを利用しておけば、積極的にクレジットカードを使った恩恵でポイントを還元してもらえます。積極的にカードを使うようであれば、クレジットカードのポイント還元率が高いものを選んでください。
海外旅行へ行くなど、海外で使うスタイルを考えているなら、クレジットカードの付帯保険を重視して選んでください。海外での補償をしっかり確保してくれるカードを選ばないと、いざという時に補償が受けられない問題に陥ってしまいます。安心して海外旅行へ行けるクレジットカードを見つけたほうがいいでしょう。
一方で、あまりクレジットカードを使わないと考えている人は、年会費が無料のカードを軸に検討してください。また、クレジットカードの利用額によって年会費が変わるようなカードは避けたほうが無難です。クレジットカードの利用頻度に応じて、自分に合ったクレジットカードを探すようにしましょう。
なお、近年多くなっているネット通販を多く利用している人は、クレジットカードブランドにも気をつけたほうがいいでしょう。海外のネットショップではJCBが対応していないケースがありますので、海外で利用するならJCBは避けたほうが無難です。また、AMEXについては国内でも対応していない場合があるため、カードのブランドについてもしっかり見ておきましょう。
クレジットカードのポイント還元率とは?
先程も少し触れましたが、クレジットカードにはポイントが用意されています。このポイントをどれだけ配布するかを決めるのがポイント還元率です。
ポイント還元率はクレジットカード会社が独自に決めているものですが、クレジットカードのランクによってポイント還元率が変化する傾向にあります。一般カードとゴールドカードではポイント還元率が大きく変わるクレジットカードもあります。
クレジットカードのポイント還元率は、カードを使い続けて得をするかどうかに大きく影響しています。ポイント還元率が低いカードを使い続けてもあまり得になりませんが、ポイント還元率が高いクレジットカードを利用していれば大量にポイントを確保できます。
例えば、同じ1万円の商品を購入したとしても、ポイント還元率の違いで確保できるポイントは異なります。
ポイント還元率0.1% | 10ポイント |
ポイント還元率1.0% | 100ポイント |
ポイント還元率2.0% | 200ポイント |
このように、ポイント還元率が1%違えば大きな差が生まれます。クレジットカードの基本的なポイント還元率は1%が主体となっていますが、クレジットカードによって0.1%を採用しているケースもあります。発行するクレジットカードのポイント還元率は必ずチェックしておきましょう。
ポイント還元率はクレジットカードのキャンペーンで引き上げられる可能性も
ポイント還元率ですが、クレジットカードが提示しているのは基本的な数字です。実際のポイント還元率は、キャンペーンにエントリーするなどの対応を取っていれば大きく変わります。
クレジットカードによっては、キャンペーンにエントリーするとポイント2倍などのサービスがあります。キャンペーンにエントリーしておけば、本来獲得できるポイントにキャンペーンが上乗せされ、ポイントの還元率が大きく上昇します。
ただ、キャンペーンの中には条件が厳しいものもあります。具体的には、クレジットカードの利用料金がかなり高く設定されている、クレジットカードの利用回数がかなり必要といった、学生では条件を達成するのが難しいものも多数あります。
積極的にポイントを貯めたいと考えている人は、キャンペーンへのエントリーも絶対に忘れないでください。エントリーしてからクレジットカードを使っておけば、0.1%と低いポイント還元率を採用しているクレジットカードでもかなりのポイントを得られる場合があります。
クレジットカードの特典・付帯保険とは?
クレジットカードの特典や付帯保険というのは、クレジットカードを発行した時に得られるカードごとのプレゼントや保険のことです。
クレジットカードは多くのユーザーに発行してもらいたいと考えており、発行する際にプレゼントとして特典を用意しています。このプレゼントはカードを発行するだけで受け取れる場合が多くなっていますので、希望する特典があれば積極的にクレジットカードを発行してもいいでしょう。
ただ、一部のクレジットカードはカードの利用履歴が確認できないと特典を提供しない場合があります。自分がクレジットカードの特典を得られるか、発行前にしっかり確認したほうがいいでしょう。特典を得られないと判断したクレジットカードは発行しても得になりません。
特典についてはクレジットカードを発行する際にわかりやすいところに記載されています。クレジットカードを発行する前に様々なカードの情報をしっかり確認しておき、自分に合った特典が用意されているかしっかり見ておきましょう。
なお、クレジットカードの特典が用意されていない場合もあります。特典の項目を見ても何も記載されていないようであれば、カードには特典が用意されているものと判断し、他の部分でカードを比較していくといいでしょう。
クレジットカードの付帯保険
クレジットカードには保険が用意されています。これは、カードを利用している人にもしものトラブルが発生した時、クレジットカードに付帯されている保険で補償してくれるというものです。
クレジットカードの付帯保険としては、以下のものが用意されています。
- 国内旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険
- 航空便遅延保険
- ショッピング保険
- 会員補償制度
こうした保険がクレジットカードに付帯され、条件に合致していると判断されれば補償されます。国内外で使える旅行傷害保険や航空便の遅延保険、ショッピング保険は比較的多く利用されている傾向があります。
付帯保険はクレジットカードのランクや会社ごとに用意されているものが異なります。クレジットカードのランクが低いと国内旅行傷害保険が用意されておらず、国内旅行では補償を受けられない場合があります。同様にクレジットカードによっては付帯保険が少ないものもあります。
学生が発行できるクレジットカードの場合、国内外の旅行傷害保険は付帯されているものが多くなっていますが、ショッピング保険が用意されていないカードもあるなど、付帯保険には大きな差があります。これからクレジットカードを発行したいと考えているなら、付帯保険はしっかり確認してください。
学生がクレジットカードを持つ際の注意点
学生がクレジットカードを持つことになる場合、計画的に利用するように心がけましょう。適当に使っていた結果、カードの利用額が多くなってしまい、返済できないような状況に陥る可能性があります。どれだけ便利なクレジットカードでも、利用する際は計画的に進めていく必要があります。
また、クレジットカードを発行する際に未成年だった場合、親権者の同意が必要とされます。親権者に同意が得られないようであればクレジットカードは発行されないため、親を説得するなどの対応を求められる可能性があります。
この他にも学生用のクレジットカードは卒業するまでしか利用できない点に気をつけてください。卒業後は学生用から一般用のカードに自動的に切り替えられるものもありますが、中には学生用からの切り替えが自動ではない場合もあり、自分で手続をしないと対応できないものもあります。
計画的に利用する
クレジットカードは計画的に利用してください。計画的に利用しなかった場合、クレジットカードの支払いができずに苦労してしまいます。
基本的にクレジットカードは一括払いが適用されており、利用した金額を翌月か翌々月の支払日にまとめて支払うこととなります。クレジットカードを計画的に利用していなかった場合、翌月の返済額がとんでもない数字になっており、自分が持っている収入では対応できない場合があります。
学生向けクレジットカードは利用額の上限が少ない設定となっていますが、上限一杯まで何も考えずに利用していれば、翌月以降の返済額がかなり多くなってしまいます。学生が確保できる収入では全く対応できない返済額が提示されると、親に必要なお金を要求しなければ支払えない可能性があります。
また、学生用のクレジットカードにもリボ払いが用意されていますが、このリボ払いを無計画に利用していると返済が終わりません。リボ払いというのは毎月の返済額を固定して払い続けるという方法ですが、毎月数千円程度の返済ではクレジットカードの返済が完了しない問題に直面します。
リボ払いは便利な返済方法ではありますが、学生には仕組みが難しいこと、そして返済計画をしっかり立てていないと毎月の返済がしっかりできない問題が起こりやすい傾向にあります。リボ払いについてもできる限り利用せず、一括払いで返済できる程度にカードを使うよう心がけましょう。
どうしても計画的にカードを利用できない人は、カードを利用した後すぐに利用明細を確認してください。利用明細の金額が少し多くなっていると感じているなら、それ以上のカード利用を止めるようにしましょう。こうして学生が安心して返済できる状況を作っておくのが一番いい方法です。
未成年は親権者の同意が必要
未成年者がクレジットカードを発行する場合、親権者の同意が必要となります。
これは未成年が親の同意なく契約したものについて、民法で取り消すことが可能となっているためです。クレジットカード会社にとって、契約している未成年が親の同意を得ていなかったことで、本来回収できる利用額を回収できないといった問題が生じるため、必ず親権者に同意を取るようにしています。
基本的に学生が同意を得るのは親になります。親の同意が得られていることを証明するために、親はクレジットカード会社に対して直筆で同意書にサインしなければなりません。親がサインしなかった場合、クレジットカードは発行されません。
また、親のサインを偽造していたことがわかった場合、私文書偽造罪が適用される場合もあります。これは立派な犯罪となりますので、学生であったとしても刑罰の対象となってしまいます。これは私生活に多大な影響を及ぼすため、非常に厳しい措置となります。
他にも親のサインを偽造していた場合、私文書偽造罪を適用しない場合でもカード利用停止措置を取る場合があります。クレジットカード会社でサインが偽造されていたと判断した場合、その時点でカードを停止して一括返済を求めるという行為も可能です。
こうしたサインの偽造は犯罪となりますので、絶対に避けてください。親の同意が得られない場合は、説得するなどしてクレジットカードを発行してもらうようにお願いしましょう。間違っても勝手にサインを書いて送付したことで、クレジットカードの発行停止や今後一切の審査停止などの処分を受けないように気をつけてください。
なお、20歳以上の学生については同意が必要ないため、個人の同意があれば問題なくカードは発行されます。
学生向けクレジットカード利用額の上限はいくら?
学生向けクレジットカードについては、社会人に発行されているクレジットカードよりも利用額の上限が厳しく制限されます。
社会人の場合、現在確保している収入に対して、希望している利用額の上限まで使った時に支払えるのか判断しています。また、過去にクレジットカードを利用しているなどの信頼性が確保できれば、カード発行時から100万円程度の利用額が提示される場合もあります。
一方で学生の場合は返済能力が足りないと判断されています。中には親が代理で返済している人もいるため、大きな利用額を提示するのは非常に危険と思われているのです。そのため、学生のクレジットカードで提示される利用額は10万円~30万円が一般的です。
利用額としては非常に少ないように感じられますが、学生に30万円以上の利用を認めてしまうと返済されない可能性が高くなってしまいます。クレジットカード会社としても、あまり信頼性が高くない学生には大きな金額をもたせられないため、上限を厳しく設定しているのです。
学生専用クレジットカードは10万円が中心
クレジットカードには学生専用にしているものもありますが、学生専用クレジットカードは10万円の利用額で固定される場合があります。
10万円に制限しているのは、学生専用という立場からあまり大きな利用額を与えられないためです。中には利用可能枠を10万円までしか用意しておらず、それ以上の金額については絶対認めないカードもあります。
学生専用クレジットカードは、一般カードに比べて審査基準が厳しくないなど、発行しやすい傾向があります。ただ、利用額についてはかなり小さい傾向があるため、あまり大きな利用額は期待しないほうがいいでしょう。
なお、海外旅行などの一時的に大きな支払いが発生する場合、クレジットカード会社側に連絡すれば上限を超えた枠を提供してくれる場合があります。希望する際はクレジットカード会社側が定めているルールに沿って連絡してください。
学生がクレジットカードの利用枠を引き上げるのはかなり難しい
先程説明した海外旅行などで利用する場合、クレジットカード会社は一時的に枠を引き上げてくれる場合があります。ただ、恒久的に利用額を引き上げてくれるわけではなく、一時的に引き上げてくれるだけです。
学生が持つクレジットカードの利用額については、安易に利用額の引上げには対応していません。発行された時の金額が卒業まで適用されるものと判断してください。上限額の引き上げを希望する場合は、クレジットカード会社側に連絡し、審査を受ける必要があります。
しかし、学生専用のクレジットカードのように、そもそも枠の引き上げには応じていないケースもあります。また、利用額の引上げに応じられるカードでも、学生が持つ収入では引き上げが厳しいと判断され、引き上げの希望を断られる可能性が高くなっています。
あまり利用額の引上げには期待しないほうがいいでしょう。最初に提示された限度額を上手に利用してクレジットカードを使い続けるのです。
学生におすすめのクレジットカード
学生がクレジットカードを発行する際、どのカードを発行すればいいか悩んでいるようであれば、これから紹介する3つのカードを検討してください。3つのカードはそれぞれにいいところがありますので、自分のライフスタイルに合わせてクレジットカードを検討するといいでしょう。
三井住友カードデビュープラス
(公式サイト:三井住友カードデビュープラス)
まずは三井住友系列が発行している三井住友カードデビュープラスです。
三井住友VISAカードは、日本ではよく利用されているクレジットカードですが、一般カードを学生が使えるものに調整したのが三井住友カードデビュープラスです。学生が使いやすいように様々な部分で変更が行われており、初めてクレジットカードを利用するユーザーに最適です。
三井住友カードデビュープラスの基本スペック
三井住友カードデビュープラスは以下のスペックで提供されています。
利用可能枠 | 最大30万円 |
キャッシング枠 | 最大5万円 |
年会費 | 初年度無料 2年目以降1,375円(1回以上の利用で無料) |
利用対象者 | 18歳~25歳までの学生 |
ポイント還元率 | 入会後3ヶ月は200円で5ポイント(2.5%) その後は200円で2ポイント(1.0%) |
支払い方法 | 1回払い、2回払い、リボ払い、分割払い |
支払日 | 毎月26日 |
クレジットカードブランド | VISA |
付帯保険 | ショッピング保険(最大100万円) |
利用可能枠が最大30万円まで用意されている他、キャッシング枠としてお金を借りられる枠が5万円まで設けられます。ただ、キャッシング枠は20歳以上でなければ対応できないため、未成年が希望しても認められません。
年会費は初年度のみ無料ですが、2年目以降も1度の利用で無料となりますので、ほぼ永年無料の状態を作り出せます。2年目以降に1度も利用しなければカードの年会費を請求されるため、なるべく1度は利用するようにしましょう。
三井住友カードデビュープラスのメリット
三井住友カードデビュープラスは、ポイント還元率が高くなっているカードです。
カードを発行して3ヶ月間は、ポイント還元率が2.5%とかなり上昇します。その後も1.0%というポイント還元率が適用されるため、多くのポイントを獲得できます。ただ、200円で2ポイントという癖のあるシステムが採用されていますので、最低でも200円以上のカード利用が求められます。
また、カードの支払い方法が多数準備されています。一般的なクレジットカードと同じ方法である1回払いや2回払いにも対応していますし、リボ払いや分割払いも使えます。クレジットカードの基本的な支払いに対応しやすいため、これからクレジットカードを経験したい人におすすめです。
三井住友カードデビュープラスのデメリット
付帯保険があまり多くないデメリットがあります。傷害保険は用意されておらず、ショッピング保険以外は利用できません。海外旅行などではもしもの時に対応できないため、海外旅行へ行く際は何らかの対策が求められます。
また、26歳以上になると、三井住友カードプライムゴールドというカードへ切り替えられます。このカードはゴールドカードですので年会費が高くなります。必要ない場合は解約手続きを取らなければならず、自動更新するか事前に検討しなければならないデメリットがあります。
学生専用ライフカード
(公式サイト:学生専用ライフカード)
年会費永年無料で提供されているライフカードを学生専用に調整したものです。ライフカードのいいところはそのままに、学生向けに利用枠の調整などが主に図られています。海外旅行傷害保険が手厚いことで知られており、安心して旅行へ行きたいと考えている人におすすめのカードです。
学生専用ライフカードの基本スペック
学生専用ライフカードは以下のスペックで提供されています。
利用可能枠 | 最大30万円 |
キャッシング枠 | 最大10万円 |
年会費 | 無料 |
利用対象者 | 18歳~25歳までの学生 |
ポイント還元率 | 基本0.1% 入会初年度はポイント1.5倍 誕生月はポイント3倍 |
支払い方法 | 1回払い、2回払い、リボ払い、分割払い |
支払日 | 毎月3日,27日(選択式) |
クレジットカードブランド | JCB,VISA,MASTER |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険(最大2,000万円) |
こちらも利用可能枠が30万円となっていますが、キャッシング枠が10万円とお金を借りる際に便利です。年会費は常に無料となっており、カードを利用しなかった年に年会費を請求されると行った問題はありません。
ポイント還元率は0.1%となっていますが、還元されるポイントの価値は5円分に相当しているため、実際には0.5%に近いものとなっています。このポイントは誕生月に3倍となるほか、学生専用ライフカードを発行した年は1.5倍の還元が受けられるメリットがあります。
学生専用ライフカードのメリット
学生専用ライフカードのメリットは、学生カードならではのメリットが多くなっている点です。
学生専用ライフカードは、海外旅行で使った金額の3%がキャッシュバックされます。キャッシュバックの上限は10万円と高くなっており、海外旅行の負担が軽減されます。また、海外旅行傷害保険も2,000万と高く、安心して海外旅行へ行ける状況が作られています。
他にも携帯料金を学生専用ライフカードで決済すると、毎月Amazonギフト券の抽選が受けられます。当選すれば500円と微々たる金額ではあるものの、ライフカードからプレゼントが受け取れます。携帯料金を学生専用ライフカードで支払うことで、ちょっとしたお得が得られる可能性もあります。
他にもカード発行時の特典として、学生専用ライフカードを発行するだけで200ポイント、利用した金額に応じて最大1,800ポイントが支給されます。最大までポイントを獲得すると2,000ポイント、現金に換算すると10,000円のポイントが支給されます。カード発行時にメリットを得られるのもいいところでしょう。
学生専用ライフカードのデメリット
基本のポイント還元率が低いデメリットがあります。誕生日を除けば、2年目以降のポイント還元率は0.1%と低く、他のクレジットカードに比べてポイントを確保できません。より多くのポイントを獲得したい人は、他のクレジットカードを検討したほうがいいでしょう。
また、ショッピング保険は用意されていません。ショッピング時のトラブルには十分気をつける必要があります。
JCBカード W
(公式サイト:JCBカード W)
JCBカード Wは学生専用のクレジットカードではありませんが、学生でも発行できるクレジットカードとなります。ポイントサービスに定評があり、多くのポイントを獲得できるメリットを持っています。卒業後にカードを切り替える必要がないため、同じクレジットカードを長く持ちたい人におすすめです。
JCBカード Wの基本スペック
JCBカード Wは以下のスペックで提供されています。
利用可能枠 | 未記載(学生は大幅に制限される) |
キャッシング枠 | ショッピング枠の一部が枠として設けられる |
年会費 | 無料 |
利用対象者 | 18歳~39歳(学生も可能) |
ポイント還元率 | 2.0%(一部店舗で利用すると還元率アップ) |
支払い方法 | 1回払い、2回払い、リボ払い、分割払い |
支払日 | 毎月10日 |
クレジットカードブランド | JCB |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険(最大2,000万円) ショッピング保険(最大100万円) |
JCBカード Wは限度額が収入によって変動する仕組みを採用しているため、収入の多い社会人であれば比較的多くの限度額が得られます。しかし、学生の場合は収入があまり無いため、得られる限度額は大幅に制限されてしまいます。
キャッシング枠についても同様の措置が取られますが、JCBカード Wはショッピング枠の一部がキャッシング枠として利用できる仕組みを採用しています。ショッピング枠が残っていれば学生でも融資を受けられる可能性はあるものの、利用枠が少ない学生が利用するのはリスクが高く、あまりおすすめできません。
JCBカード Wのメリット
JCBカード Wのメリットは、何と言ってもポイント還元率が非常に高くなっている点です。
JCBカード Wは、通常のポイント還元率が2.0%となっており、常に他のクレジットカードよりポイントを獲得できます。ポイント還元率が0.1%のカードと比べて20倍もポイントを獲得できるのは大きなメリットです。獲得したポイントは商品に交換するタイプで、色々な商品が手に入ります。
また、JCBカード Wが提携している店舗で利用した場合、ポイント還元率が更に上昇します。対象店舗で利用することで、より多くのポイント還元が期待できます。より多くのポイントを確保したいと考えているなら、JCBカード Wを利用したほうがいいでしょう。
この他にも、海外旅行傷害保険が最大2,000万円まで設けられている他、ショッピング保険についても100万円まで準備されています。学生カードでは保険が充実していないケースもありますが、JCBカード Wであれば安心できる保険がしっかり準備されています。
JCBカード Wのデメリット
JCBカード Wは学生カードではなく、一般カードとして審査を受ける必要があります。学生が審査を通過できないわけではありませんが、審査を通過するための難易度は学生カードよりも高く、安定した収入などが確認できないと審査に落とされやすくなります。
もう1つのデメリットとして、学生向けの特典が用意されていない部分があります。学生カードには学生向けの特典が用意されているものの、JCBカード Wは一般カードとなりますので学生に特化した特典はありません。
まとめ
ここまで学生がクレジットカードを選ぶ基準、そしておすすめのカードやメリットデメリットについて紹介しました