現在世界中でドローンが注目されています。
ドローンとは、複数の回転するプロペラを持つ無人飛行機のことです。
また、ドローンは「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」や「無人飛行ロボット」と呼ばれることもあります。
ドローンの魅力といえば空からの撮影ですよね。
しかし、ドローンの撮影には許可が必要な場合があります。
そこで、本記事ではドローンの撮影許可について解説します。
ドローンの撮影許可が必要な場合
テレビなどで最近よく見る、ドローンを利用して撮影した映像はとても迫力があったり、とてもきれいで神秘的なものが多いです。
ドローンを利用したいと考えている方は、テレビなどで見る映像を取りたいと思っているはずです。
ですが、ドローンはどこでも利用してよいものではなく、国が利用してはいけない場所を決めています。
ドローンは基本的に以下の場所での利用が禁止されています。
- 空港周辺
- 緊急用務空域
- 150m以上の上空
- DID(人口集中地区)
- 外国公館の周辺
- 防衛関係施設の周辺
- 原子力事業所の周辺
また、ドローンは以下の場合も利用が禁止されています。
- 飲酒時の飛行
- 危険な飛行
- 夜間の飛行
- 目視外飛行
- 近距離での飛行
- 催し場所での飛行
- 危険物の輸送
- 物件投下
このようなルールを知らずにドローンを利用している方も中にはいるでしょう。
しかし、ドローンを利用して撮影をする場合はルールを守らなければ罰則を受けてしまいます。
また、周辺の人に迷惑をかけることにもなるのでルールはしっかり守ってドローンの利用をしましょう。
許可なくドローンが飛行できない「禁止エリア」
ドローンの詳細なルールは国土交通省から発表されています。
空港等の周辺(進入表面等) の上空の空域
空港やヘリポートなどの周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域では許可の無いドローンの飛行は禁止です。
つまり空港の近くでのドローン飛行は要注意。下記の国土地理院ウェブサイトより確認できますが、撮影予定地の空港事務所へお問い合わせした方がより安全です。
必ず許可を取り飛行を行いましょう。
150m以上の高さの空域
航空機やヘリコプターなどとの衝突などを防止するために、上空150m以上での許可の無い飛行は禁止です。
人口集中地区の上空
平成22年の国勢調査の結果によると、人口集中地区の上空は許可のないドローン飛行が禁止です。
繰り返しになりますが私有地であっても許可なく飛行はできません。
都市圏でのドローン飛行は多くがこの条件に該当します。
詳細は下記の総務省統計局のウェブサイトより確認できます。
ドローン飛行ルール「禁止ルール」
特別な許可が無い限りは、下記のルールに沿ったドローン飛行を行う必要があります。
よく該当するのは3番目の30m以上の距離を保つルールですが、このルールに関しては私有地内の当事者(依頼者や関係者)の人、建物は該当しません。
- 日中(日出から日没まで)に飛行させること
- 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
- 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
- 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
- 爆発物など危険物を輸送しないこと
- 無人航空機から物を投下しないこと
小型無人機等飛行禁止法について
2016年4月7日には国が定める重要施設付近でのドローン全般の飛行を禁止する、小型無人機等飛行禁止法が施行されました。
東京都の永田町周辺と、原子力事業所、サミット会場となる富山国際会議場(富山県)、つくば国際会議場(茨城県)などの周囲おおむね300メートルの地域は飛行禁止です。
撮影業者が取る許可の種類
通常、撮影業者が許可の手続きを行う場合は、『サンプル商事さんからのご依頼で、サンプル商事名古屋工場の外観を●月●日から■月■日のいずれか1日間でドローン撮影したい』という申請を国土交通省へ提出し手続きをします。
手続きが受理されると「許可証」が発行されます。
ですが、先ほど紹介した場所でどうしても撮影をしたい場合があると思います。
その際は次の項目で解説をすることをして許可がおりれば、撮影することが可能です。
ドローンの撮影許可申請方法
先ほど紹介した場所でドローンを利用する場合は申請が必要ですので、申請方法を解説します。
オンラインで申請ができます。
ドローン情報基盤システムで申請できるものは以下になります。
- 無人航空機の飛行に関する許可・承認申請
- 無人航空機の飛行実績の報告
- 無人航空機による事故等の情報提供
また、ドローン情報基盤システムを使用するために必要なPCのスペックは以下です。
OS | Windows10 |
ブラウザ | Internet Explorer 11.0 |
CPU | 2.50Ghz以上 |
メモリ | 2.00GB |
スペックを確認してから申請を開始してください。
無人航空機の飛行に関する許可・承認申請の流れは以下の手順です。
一つずつ解説していきます。
申請者情報の登録
まずは、ドローン情報基盤システムに申請者の情報を登録します。
ドローン情報基盤システムの情報が登録が完了するとログインの際に必要になる申請者IDを取得できます。
この時に取得した申請者IDとパスワードは紛失しないようにしっかり管理しましょう。
機体(無人航空機)情報、操縦者情報の登録
次に「無人航空機の飛行に関する許可・承認申請」の対象となる機体および操縦者の情報を登録します。
申請書の作成・提出
次に申請理由や飛行内容等「無人航空機の飛行に関する許可・承認申請」に必要な情報を入力し、申請内容に間違いがない事を確認したら、申請書を提出(送信)します。
申請書の提出が完了すると提出先の地方航空局、空港事務所等で申請内容の審査が行われます。
申請内容に不備があった場合、補正指示が登録された電子メールが通知されますので、ドローン情報システムで補正指示内容を確認の上、修正して再度提出しましょう。
申請書は飛行予定日の10開庁日前までに、不備等がない状態で提出する必要があります。
提出先での内容確認や補正指示による再提出等には一定の時間が必要になるので、飛行予定日まで十分に余裕を持って申請書を提出するように注意しましょう。
電子許可書または許可書(写)のダウンロード
申請書の審査が完了すると提出先の地方航空局、空港事務所等で許可書が作成されます。
許可書は電子許可書、書面のいずれかを申請書作成時に指定可能です。
書面を指定した場合は、ドローン情報基盤システムから許可書の写し(PDFファイル)をダウンロードする事ができます。
審査が終了し、電子許可書または許可書(写)の登録が完了した電子メールを受信したら、ドローン情報基盤システムからファイルをダウンロードしてください。
許可書返信用封筒の送付
書面での許可書発行を指定した場合は、「電子許可書または許可書(写)の登録が完了した旨の電子メール」を受信したら、許可書(原本)を受領するため、返信用封筒(切手付)を提出先の地方航空局、空港事務所等に郵送します。
その後、提出先の地方航空局、空港事務所等から許可書(原本)が返送されます。
以上で申請が完了します。
- 詳しくはこちらから
- または国土交通省の航空安全のウェブサイトから
初心者でも安全にドローンで撮影する方法
ドローンでは普通では撮れない視野から映像を撮影できます。
最近ではドローンをネットショッピングなどで購入することもできるので、ドローンを利用したすごい映像を撮りたいという方もいるのではないでしょうか。
そんな時に「でもドローンの操縦方法が分からない」と思う方も多くいると思います。
そんな方におすすめなのが、ドローンの民間資格の講習を受けることです。
ドローンの民間資格の講習を受けることで、ドローンの基礎的な操縦方法やドローンを利用する際のルールについて学べます。
また、ドローンの民間資格の講習を受けることでドローンの民間資格を取得でき、先ほど紹介したドローンでの撮影許可申請の際に申請を簡略化できたりします。
ドローンの民間資格は初心者向けのものから上級者向けのものまであるので、初めは初心者向けの資格を取得してもっとドローンを上手く操縦したい場合上級者向けの資格を取得することもできます。
次の項目でドローンの民間資格を紹介します。
株式会社ドローンネットが運営するUAS LEVEL2
株式会社ドローンネットが運営のスカイファイトが発行している『UAS LEVEL2』は、国土交通省・管理団体認定の技能認定資格です。
スカイファイトでは、コース中に使用するドローンを全て無料レンタルできるので、ドローン購入費用がかからない点がメリットと言えます。
また、スクールのスケジュールは自由に組めるので営業時間である11時~21時の間、好きな時間帯で講習可能です。
スカイファイトで取得できる資格や証明書は、全部で3種類あります。
- UAS Level.2 技能認証カード
- UAS LEVEL2 技能認証(航空局飛行申請用)
- 10時間飛行証明書
資格や証明書を持っていると航空局への飛行許可申請が一部簡略化され、スムーズにドローンを飛ばすことができます。
スカイファイトでは、目的に合わせたコースを選択可能です。
受講費用は、3万円~22万円(税込)です。趣味程度から本格的なコースまで揃っているのでコース選びに迷うことはなさそうです。
スカイファイトが発行するUAS LEVEL2は、ライセンスの維持が必要になりますので毎月980円の月額料金が発生します。
年額払いもありますが、安くなるわけではないので月額払いでも良さそうです。
UAS LEVEL2の再発行には5,000円が必要になります。資格の紛失には気を付けましょう。
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)の資格
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が認定している民間のドローンの資格は「ドローン操縦士回転翼3級」という資格です。
DPAでは2種類の資格があります。
- 初心者向けの「ドローン操縦士回転翼3級 資格認定制度」
- 上級者向けの「ドローン操縦士回転翼3級 インストラクター資格認定制度」
JUIDAドローン資格
「JUIDAドローン資格」は日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定している民間のドローンの資格です。
「JUIDAドローン資格」では2種類の資格が取得できます。
- ドローンの基礎的なことが分かる「無人航空機操縦技能証明証」
- ドローンを操縦する際に関わる安全や法律を理解していてドローンの飛行中の安全管理ができることが分かる「無人航空機安全運航管理者証明証」
日本ドローン協会(JDA)の資格
日本ドローン協会(JDA)が認定している資格はさまざまな種類があり、初心者から上級者までさまざまな方におすすめです。
JDAが認定している資格は以下です。
- ドローンに関する高度な知識と技能を取得しており、JDAで講師として教えることができると認められる「JDAインストラクター証明書」
- ドローンを業務活用するうえでの高度な知識と技能を習得していると認められる「UAV1級操縦士技能証明書」
- ドローンを業務活用する上での基本的な知識と技能を習得していると認められる「UAV2級操縦士技能証明書」
- ドローンの基本的な知識と技能を習得していると認められる「UAV3級操縦士技能証明書」
- ドローンを活用した業務を行う上で、業務の安全性を高めるための知識が身に付いていると認められる「JDAドローン安全管理者証明書」
- ドローンで農薬散布を行う上での知識と技能を習得していると認められる「JDAアグリドローン操縦士技能証明書」
DJI CAMP認定資格
「DJI CAMP認定資格」は大手ドローンメーカーのDJIの日本法人が認定した民間のドローンの資格です。
「DJI CAMP認定資格」の取得方法は座学、筆記試験、実技試験を2日間で行い、修了試験に合格したら取得できます。
「DJI CAMP認定資格」の対象の受講者はドローンの飛行経験が10時間以上必要です。
また、他の民間資格とは違い基礎的な操縦訓練などがないので上級者向けの資格になります。
まとめ
今回はドローンの撮影許可について解説しました。
ドローンで撮影をする際はルールを守って安全に撮影しましょう。