ドローン飛行に許可が必要?申請方法や注意点とあわせて解説

ドローン飛行に許可が必要?申請方法や注意点とあわせて解説 ドローン
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ドローン(無人航空機)の飛行には、法律によって規制があり、条件に応じて許可や承認が必要となります。

ポイントは次の3つです。

ドローン飛行のポイント
  • 機体登録の義務化(2022年6月20日から導入)
  • ドローンの重量が200g以上か未満かで適用法が異なる
  • 飛行する場所・パターンによって許可・承認が必要

また、許可を得るための申請方法や注意点もあわせて解説しますので、参考にしてください。

ドローン飛行に許可が必要な理由

ドローン(無人航空機)は、空撮、測量、点検・整備、農業、物流、娯楽といった各方面で利活用されることが増えています。

ドローンビジネスの市場規模グラフ
引用:インプレス総合研究所

2020年度の日本国内におけるドローンビジネス市場規模は、2018年度で931億円、2019年度で1,409億円、2020年度で1,841億円の見込みと、拡大を続けています。

しかし、民間での普及にともない、プライバシーの侵害や犯罪行為、事故・トラブルの発生も急増しました。

一例として、『平成31年度 無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)』には、ドローン事故の件数が次のように記されています。

年度 事故件数
2015年度 65件
2016年度 113件
2017年度 127件
2018年度 144件
2019年度 83件
※平成30年度までに農林水産省に報告のあった空中散布における無人航空機の物損事故等を加えた年度別の件数

新しいテクノロジーによる脅威として、国はドローン利用を規制する法律を設けました。

ドローン規制法ができるまでの流れ

ドローン(無人航空機)の規制法ができるまでの、主な流れをまとめました。

年月日 出来事(ドローンの法整備への流れ)
2015年4月22日 『首相官邸ドローン落下事件』
首相官邸の屋上(ヘリポート付近)に落下した、
所有者不明のドローンが発見
2015年6月 国会議員が動く
「小型無人機等飛行禁止法」の原案がまとめられ、
議員立法という形で国会に提出
2015年7月 内閣が動く
ドローンの飛行のルールを定めた
航空法改正案をまとめ、国会へ提出
2015年12月10日 200g 以上のドローンを対象に
「改正航空法」施行
2016年4月7日 すべてのドローンを対象に
「小型無人機等飛行禁止法」施行

ドローンの規制法には罰則もあり、違反者には、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられます。

ドローンの規制法ができた後も、航空法の一部改正が行われていますので、ドローンの所有者・利用者は最新情報の確認を続けることをおすすめします。

ドローン飛行の許可はどのような場合に必要?

ドローン(無人航空機)は、飛ばす前の段階として、次の2点を理解しておく必要があります。

  • 機体登録の義務化(2022年6月20日から導入)
  • ドローンの重量が200g以上か未満かで適用法が異なる

飛行を予定する段階では、必要な許可・承認を得るために申請を行わなければいけません。

  • 飛行する場所によって許可が必要
  • 飛行するパターンによって承認が必要

機体登録の義務化(2022年6月20日から導入)

国土交通省は2021年10月12日に、ドローン(無人航空機)の機体登録を2022年6月20日から義務化すると発表しました。

主な内容をまとめました。

登録義務の導入 2022年6月20日 開始
事前登録受付 2021年12月20日 開始
登録対象 重量100グラム以上の
無人航空機(ドローン・ラジコン機など)
申請する内容 ドローン所有者の
氏名や住所、機体情報など
申請後 申請して個別の登録記号(ID)の通知を受ける
IDは飛行時に機体にシールなどで表示する必要がある
登録せずに飛行させた場合 50万円以下の罰金か1年以下の懲役
参考:無人航空機登録ポータルサイト

ポイントは、重量100グラム以上の機体はすべて対象となる、という点です。

申請すればかならず登録が認められるわけではなく、落下事故が頻発しているような安全性に問題がある機種は、登録が認められない見通しです。

ドローンが200g以上の場合

200g以上のドローンを飛ばす場合、「航空法」が適用され、航空法に定められる次の「飛行禁止空域」では飛行が禁止されます。

航空法におけるドローンの飛行禁止空域
  • 空港周辺の空域
  • 地上又は水面から高さ150m以上の空域
  • 人口集中地区の上空

上記「飛行禁止空域」での飛行が必要となった場合は、許可申請を行います。

「空港周辺の空域」や「地上又は水面から高さ150m以上の空域」の申請は、空港事務所へ提出します。

それ以外の空域では、地方航空局長へ提出します。

また、日本の東西で管轄する航空局が異なることも注意点です。

ドローンの管轄地域
引用:国土交通省|地方航空局への無人航空機の申請窓口の移管について

東京航空局と大阪航空局の都道府県別管轄と、申請先をまとめました。

東京航空局 大阪航空局
北海道、青森県、岩手県、宮城県
秋田県、山形県、福島県、茨城県
栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県
東京都、神奈川県、新潟県
山梨県、長野県、静岡県
富山県、石川県、福井県、岐阜県
愛知県、三重県、滋賀県、京都府
大阪府、兵庫県、奈良県
和歌山県、鳥取県、島根県
岡山県、広島県、山口県、徳島県
香川県、愛媛県、高知県、福岡県
佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
宮崎県、鹿児島県、沖縄県
住所:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
部署:東京航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて
FAX:03-5216-5571
Mail:cab-emujin-daihyo@mlit.go.jp
住所:〒540-8559 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76
部署:大阪合同庁舎第4号館大阪航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて
FAX:06-6920-4041
Mail:cab-wmujin-daihyo@mlit.go.jp

ドローンが200g未満の場合

200g未満のドローンを飛ばす場合、航空法は適用されませんが、「小型無人機等飛行禁止法」が適用され、飛行許可を得るために警察署への通報書が必要となります。

「小型無人機等飛行禁止法」においては、次のように規制されています。

小型無人機等飛行禁止法においては、重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行が禁止されています。
引用:警察庁|小型無人機等飛行禁止法関係

また、200g未満のドローンであっても、空港周辺 ・150m以上の高さの空域 ・緊急用務空域といった空域での飛行は禁止されています。

200g未満のドローンといっても、物件や人身に衝突すれば事故やトラブルにつながります。

所有者・操縦者には、周囲の迷惑にならないよう常識とマナーが求められます。

ドローン飛行の許可が必要な場所

次の空域でのドローン飛行には、許可が必要です。

許可が必要な空域 概要
空港等の周辺の空域 航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために
必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域
(空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、
転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面など)
緊急用務空域 警察、消防活動等緊急用務を行うための
航空機の飛行が想定される場合に、
無人航空機の飛行を原則禁止する空域
地表又は水面から150m以上の高さの空域 文言の通り
許可申請の前に空域を管轄する管制機関と調整が必要
人口集中地区の上空 5年毎に実施される国勢調査の結果から
一定の基準により設定される地域
国の重要な施設、外国公館、原子力事業所等の周辺 国会議事堂や内閣総理大臣官邸、
外国公館等及び原子力事業所の周辺地域など
道路の上空 道路上や路肩などでドローンの離着陸を行う場合は、
「道路交通法」に基づき「道路使用許可申請書」の提出が必要
私有地の上空 民法上、「土地の所有権は、法令の制限内において、
その土地の上下に及ぶ」となっている 土地の所有者や管理者の許諾が必要
条例による飛行禁止空域 各都道府県、市町村の条例に基づく
各地方自治体の許可が必要
参照:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

ドローン飛行に承認が必要なパターン

次の飛行方法・パターンでは、事前に国土交通省へ申請して承認を得る必要があります。

承認が必要な飛行方法
パターン
概要
夜間飛行 日没後や日の出前の夜間に、ドローンを飛行する場合
目視外飛行 操縦者から機体の位置や状況が
目視できない状態が発生する場合
※ドローンレースなどで使用されるFPV(一人称視点)
ゴーグルを装着して操縦する場合も該当
人や建物と30m未満の距離での飛行 ドローンを第三者や第三者の建物の
30m未満に近づける場合
※ドローンの操縦者や補助者、協力者、関連人物が所有する車や建物は対象外
催し場所での飛行 お祭りや野外イベントなど、
大人数が集まる場所で飛行する場合
危険物輸送 ガソリンや火薬、花火などの
危険物をドローンに搭載して飛行させる場合
物件投下の禁止 ボールや箱などの物体、農薬などの液体を噴霧など
「ドローンから投下」にあたる場合
参照: 国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

ただし、上記の項目でも、承認を不要とする特例があります。

事故や災害時に、国や地方公共団体、また、これらの者の依頼を受けた者が捜索、または救助を行うために無人航空機を飛行させる場合、適用されないこととなっています。

ドローン飛行許可の申請方法

200g未満のドローンについては、警察署へ通報書を届け出ることでドローン飛行の可否が確認できます。

200g以上のドローンについては、飛ばす日から10開庁日までに国土交通省に許可申請することになっています。

時期にもよりますが、申請から結果が出るまで約1カ月程度かかることもあるため、期間に余裕を持つ必要があるからです。

また、禁止区域での飛行許可には、「安全確保への対策」と「10時間以上の飛行実績」が求められます。

ドローン申請方法はオンラインと郵送

申請方法には、オンラインと郵送の2つがあります。

オンライン申請は、『DIPS』(Drone/UAS Information Platform System|ドローン情報基盤システム)というサイトにて行います。

アカウントを作成し、ガイドに従って選択肢をクリックしていくことで進められます。

注意点として、操作が簡便なために、内容の理解が不十分でも申請ができてしまい、後日に不都合が生じる恐れがあります。

事前の内容確認と、安易に操作を進めないことをおすすめします。

郵送申請は、申請書を印刷して項目を記載、許可に応じた申請先に送付します。

オンラインに比べ、郵送する分の時間や手間がかかります。

個別申請と包括申請

ドローンの許可申請には「個別申請」と「包括申請」があります。

さらに、「包括申請」は「期間包括申請」と「飛行経路包括申請」に分かれます。

申請の種類 概要
個別申請 飛行のたびに、飛行日程と経路を決めて、都度申請する方法
比較的申請が通りやすい
申請後、飛行日程と経路は変更できない
包括申請 期間包括申請 特定の日にちと飛行経路を定めずに申請する方法
ドローンを一定の期間内に何度も飛行させる場合の申請
期間は最大1年間
期間内なら何度でも飛行が可能
飛行経路包括申請 特定の日にちと飛行経路を定めずに申請する方法
いろいろな場所で飛行させる場合の申請
県全域といった広範囲や、複数エリアでの飛行が可能

例えば、特定の場所と日時で行われるイベントでドローンを飛ばす場合は、「個別申請」が該当します。

しかし、イベントが複数日に及ぶのなら「期間包括申請」が必要となります。

「個別申請」は、天候や状況によって飛行日の調整が必要になる(農薬の散布など)目的だと、飛行スケジュールを変更できないため不便です。

スケジュールに柔軟性が求められる場合は、「包括申請」が適しています。

申請方法の流れ

国土交通省では原則、オンラインサービス「DIPS」での申請が推奨されています。

【オンラインでの申請】
  1. 申請者情報を登録してアカウントを作成(メールアドレスが必要)
  2. 発行した申請者IDでシステムにログイン
  3. 機体情報を登録
  4. 操縦者情報を登録
  5. 申請書を作成(一部手続き省略の際は、資料添付が必要)
  6. 電子許可書もしくは紙の許可書のどちらかを選択
  7. 申請書をオンライン上で提出
  8. 申請審査を待つ(不備がある場合は通知されるので訂正して再提出)
  9. 許可書が発行されたら、PDF形式で写しをダウンロードが可能

   ※書面による許可を希望する場合は、受け取るための封筒を送付し、許可書原本の郵送を依頼

諸事情により、郵送での申請が必要な人は、次の手順で進めてください。

【郵送での申請】
  1. 国土交通省の「無人航空機の飛行許可承認手続」ページにアクセス
  2. 申請書様式や作成要領等をダウンロードして印刷
  3. 必要事項の記入
  4. 郵送

ドローン飛行には許可が必要な場合がある

ドローン(無人航空機)の飛行には、条件に応じて許可や承認が必要です。

2022年6月20日から導入される機体登録の義務化で、非登録の機体では飛行は許可されません。

登録義務の導入 2022年6月20日 開始
事前登録受付 2021年12月20日 開始
登録対象 重量100グラム以上の
無人航空機(ドローン・ラジコン機など)
申請する内容 ドローン所有者の
氏名や住所、機体情報など
申請後 申請して個別の登録記号(ID)の通知を受ける
IDは飛行時に機体にシールなどで表示する必要がある
登録せずに飛行させた場合 50万円以下の罰金か1年以下の懲役
参考:無人航空機登録ポータルサイト

また、次の空域では事前に許可を得る必要があります。

許可が必要な空域 概要
空港等の周辺の空域 航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために
必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域
(空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、
転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面など)
緊急用務空域 警察、消防活動等緊急用務を行うための
航空機の飛行が想定される場合に、
無人航空機の飛行を原則禁止する空域
地表又は水面から150m以上の高さの空域 文言の通り
許可申請の前に空域を管轄する管制機関と調整が必要
人口集中地区の上空 5年毎に実施される国勢調査の結果から
一定の基準により設定される地域
国の重要な施設、外国公館、原子力事業所等の周辺 国会議事堂や内閣総理大臣官邸、
外国公館等及び原子力事業所の周辺地域など
道路の上空 道路上や路肩などでドローンの離着陸を行う場合は、
「道路交通法」に基づき「道路使用許可申請書」の提出が必要
私有地の上空 民法上、「土地の所有権は、法令の制限内において、
その土地の上下に及ぶ」となっている 土地の所有者や管理者の許諾が必要
条例による飛行禁止空域 各都道府県、市町村の条例に基づく
各地方自治体の許可が必要
参照:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

次の飛行方法・パターンでは、事前に国土交通省へ申請して承認を得る必要があります。

承認が必要な飛行方法
パターン
概要
夜間飛行 日没後や日の出前の夜間に、ドローンを飛行する場合
目視外飛行 操縦者から機体の位置や状況が
目視できない状態が発生する場合
※ドローンレースなどで使用されるFPV(一人称視点)
ゴーグルを装着して操縦する場合も該当
人や建物と30m未満の距離での飛行 ドローンを第三者や第三者の建物の
30m未満に近づける場合
※ドローンの操縦者や補助者、協力者、関連人物が所有する車や建物は対象外
催し場所での飛行 お祭りや野外イベントなど、
大人数が集まる場所で飛行する場合
危険物輸送 ガソリンや火薬、花火などの
危険物をドローンに搭載して飛行させる場合
物件投下の禁止 ボールや箱などの物体、農薬などの液体を噴霧など
「ドローンから投下」にあたる場合
参照: 国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

ドローンの規制については今後も法改正されていくことが見込まれていますので、所有者や操縦者は都度新しい情報を確認して、必要な許可を得ていきましょう。

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