ドローン(無人航空機)を利用する上で、ある程度の電波についての知識が必要とされています。
操縦や画像を伝送するために、電波が発射される無線設備がドローンには搭載されています。
ドローンは決して自由に飛ばしていいものではなく、無線設備を扱うためのルールがあります。さらに、電波法令に従い、無線局の免許が必要となることもあります。
ドローンの電波に関わる免許取得が必要と聞き、意外に思った方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
安易にドローンを飛ばすことで、電波法令に引っかかり、逮捕されてしまう可能性もあります。
今回は、電波法令の問題を明確にしていきます。
是非、ドローンに関心をお持ちであれば一読ください。
ドローンで知らなければならない電波法令の知識
個人の方々、また業界でのドローンの普及が徐々に進行しています。
コストをあまりかけずに空撮したいという方には、ドローンが有効的な手段と言えるでしょう。
しかし、ドローンは決して簡単に飛ばすことができるものではなく、映像に対しての基礎も必要です。さらに、 飛行可能な区域などの把握、電波法令の正しい認識も必要です。
それにより、決してドローンはハードルが低いものとは言えません。
世界には、様々な見えない電波が飛び交っています。
もちろんそれぞれが必要とし、活用されています。しかし、規制を作らなければそれぞれの電波が喧嘩してしまうことがあります。
電波法令は、’’この周波数の電波はこのように使用しましょう’’という取り決めのためにあります。
それらを使用するためには無線局の免許取得が必要です。違反をした使い方をした場合、処罰される可能性があります。
2.4GHz帯の周波数の電波であれば、免許取得は必要なく、国内でドローンを操縦することができます。(2018年12月の時点)
電波法令によると、他の無線機器に影響を与えることのない弱い無線局や、 無線LANなど混信しない措置が取られているものに対して、免許取得なしでも使用できることとなっています。
また、ドローンは操縦すること以外でも、FPV(First Person View)と言った映像伝送のためにも電波が使用されています。
FPV(First Person View)でも、免許取得なしで使用することができるのは、2.4GHz帯の電波です。
特に注意しなければならないのは、海外のドローンは 5.8GHz帯の電波を使っているものが多くあることです。
しかし、5.8GHz帯の電波のドローンは、既にETCなどの大事な電波として使用されているため、ドローン操縦において基本認可がされていません。
日本でドローンを購入したという方々は大体、技術基準適合証明を受けているので問題にはなりません。
しかし、100%ということではないので、ドローンを購入した時には「技適マーク」の表示があるのか確認するようにしましょう。
ドローンは操縦と画像伝送で電波を使用している
ドローンは、操縦する時やFPV(First Person View)の画像伝送において、電波が活用されています。
「DJI」は、世界ドローン市場で推定シェア7割のドローンメーカーです。DJIなどの商品では、2.4GHz帯の電波が使用されています。
ドローンを購入した時に確認すべき「技適マーク」とは、技術基準適合証明マークを短くした言葉です。電波法令の基準に従ってドローンであることを証明しています。
国内で購入するドローンはほとんどの場合、海外から並行輸入したものが多くなっています。そのようなドローンは、電波法令の規準が満たされてないケースがあるので注意が必要です。
電波法令の改正でドローンの活躍の幅が拡大した
電波法令の改正が2016年8月にありました。そして、2.4GHz帯、ならびに5.7GHz帯等の周波数がドローンに対して開放されることになりました。
ここで注目すべきは、5.7GHz帯に対してです。
上記でも述べましたが、5.8GHz帯はETCなどで使用されているため、ドローンでは使用不可です。
アマチュア無線でFPVを楽しんでいる方々もいますが、趣味の領域に収める必要があり、仕事で空撮しようとする時には使用不可です。
また5.7GHz帯は、インフラ整備や火山の調査を行うときなど、もっと遠くへドローンを飛ばします。それらは、キレイな映像を伝送したいという需要に対応したものです。
ドローンは社会にとって必要不可欠なアイテムです。しかし、既存している社会とも共存していかなければなりません。
総務省では、ドローンをどのような方法であれば他の人たちに迷惑をかけず、飛ばすことができるのか検証し続けて来ました。
スキルの面で言うと、周波数帯を選ばなければ、伝送能力はどこまでも高めることができると言えます。
しかし以下の問題点があるのも現状です。
- 専用の無線機を作らなければならない
- 一般で使用されている帯域でなければリーズナブルな商品を作ることができない
などの問題を抱え、結論として、無線LANで使用している周波数を上手に利用していくという方向に辿り着きました。
長距離の通信も行うことができますが、混信してしまうリスクもあるので、電波のノウハウも必要不可欠です。
知識を持っている人が無線局を開局し、事業をするために使用することを想定し、さらに「第三級陸上特殊無線技士」の免許取得も必要となります。
ドローン電波免許取得必要なしの無線局
電波が微弱な無線局や一定の技術的条件に適する無線設備を使用した小電力無線局については、無線局の免許、ならびに登録が不要です。
小電力無線局は、空中線電力が1W以下のものであり、特定で使用される一定技術の基準が定められている無線局のことです。
Wi-FiやBluetoothなどの、小電力データ通信システムの無線局はこれに該当します。
小電力無線局の場合、無線局免許や無線従事者資格は必要ありません。ただし、技術基準適合証明などを受けている無線設備であることが必要です。
まとめ
いかがでしょうか。今回はドローンの電波法令について解説しました。ドローンはもはや私達の暮らしになくてはならないものです。
ドローンを操縦する際はしっかりと法律のルールに従いましょう。
電波法令もその一つであり、しっかり理解しドローンを操縦しなければなりません。