ドローンでの撮影許可を得るには?注意点とあわせて解説

ドローンでの撮影許可を得るには?注意点とあわせて解説 ドローン
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ドローン(無人航空機)での撮影許可を得るには、次の手続きと配慮が必要です。

必要な手続き 対象 内容
機体登録 重量100グラム以上の無人航空機
(ドローン・ラジコン機など)
・ドローン所有者の氏名や住所、機体情報などを登録
・申請して個別の登録記号(ID)の通知を受ける
・IDは飛行時に機体にシールなどで表示する必要がある
申請での許可取得 飛行禁止空域で飛ばす場合 ・空港等の周辺の空域
・緊急用務空域
・地表又は水面から150m以上の高さの空域
・人口集中地区の上空
申請での承認取得 特定の飛行方法の場合 ・夜間飛行
・目視外飛行
・人又は物件から30m以上の距離が確保できない飛行
・催し場所上空の飛行
・危険物輸送
・物件投下
その他 注意点 すべてのドローン ・軽犯罪法
・道路交通法
・刑法、民法等

ドローンでの空撮をおこなう所有者や操縦者は、航空法や軽犯罪法、迷惑防止条例などについて把握し、違反しないようにしなければいけません。

ドローンでの撮影許可を得る前に!登録義務化に対応しよう

国土交通省は、ドローン(無人航空機)の機体登録を2022年6月20日に義務化しました。

登録義務の導入 2022年6月20日 開始
事前登録受付 2021年12月20日 開始
登録対象 重量100グラム以上の無人航空機(ドローン・ラジコン機など)
申請する内容 ドローン所有者の氏名や住所、機体情報など
申請後 申請して個別の登録記号(ID)の通知を受ける
IDは飛行時に機体にシールなどで表示する必要がある
登録せずに飛行させた場合 50万円以下の罰金か1年以下の懲役

重量100グラム以上のドローンはすべて対象となるので、100グラム未満のトイドローン類以外は、そもそも登録しないと飛行が禁止されます。

ドローン登録義務:申請方法

ドローン登録申請には、オンラインと書類提出の、2つの方法があります。

オンライン登録では、『ドローン登録システム』専用ページを利用してください。

アカウントを作り、ガイドに従って情報を入力して申請手続きを進めます。

書類提出による登録では、本人確認書類の郵送および書面申請が必要です。

登録申請書様式や記載例、提出先などは、国土交通省の『無人航空機の登録制度』ページで確認できます。

申請時には、次の情報類の入力が必要です。

  • 無人航空機の所有者および使用者の氏名や住所
  • 機体の製造者や型式

スムーズに登録申請をおこなうには、次の項目をチェックしておくことをおすすめします。

  • 本人確認書類
  • 会社情報のわかる書類(企業・団体に限る)
  • 連絡の取れるメールアドレス・電話番号
  • 機体の情報がわかる資料
  • 申請に係る手数料

ドローン登録義務:入金

申請をすると納付番号などが発行されるので、申請に係る手数料を納付してください。

入金方法は、クレジットカード、インターネットバンキング、ATMのいずれかです。

申請方法によって手数料・納付方法が異なります。

申請方法 1機目 2機目(1機目と同時申請の場合)
個人番号カードまたはgBizIDを用いたオンライン申請 900円 890円/機
上記以外(運転免許証やパスポートなど)を用いたオンライン申請 1,450円 1,050円/機
紙媒体による申請 2,400円 2,000円/機

gBizID(GビズID)とは、法人・個人事業主向け共通認証システムです。

すでにgBizID(GビズID)を取得している人は、一つのID・パスワードで複数の行政サービスを使用でき、ドローン登録でも利用できます。

gBizID(GビズID)が利用できる行政サービスは、gBizID公式サイトの一覧ページで確認できます。

過去に利用したものがないか、IDを発行したことがないか、チェックをおすすめします。

ドローン登録義務:登録記号発行

登録手続きや入金が完了すると、申請したドローンの登録番号(ID)が発行されます。

飛行させる際には、登録番号を機体に記載するなどの方法で鮮明に表示させなくてはいけません。

登録せずに飛行させた場合や、登録記号の表示措置を怠った場合は、50万円以下の罰金か1年以下の懲役が科されますので、注意が必要です。

登録義務に対応することで、飛行申請のステップに進めます。

ドローンでの撮影許可を得るには【飛行禁止空域で飛ばす場合】

ドローンでの撮影が「飛行禁止空域」に該当する場合は、関係機関へ申請書類を出して許可を得る必要があります。

国土交通省では、次の4つを「飛行禁止空域」に定めています。

  • 空港等の周辺の空域
  • 緊急用務空域
  • 地表又は水面から150m以上の高さの空域
  • 人口集中地区の上空
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

4つの「飛行禁止空域」以外では、飛行許可申請をおこなう必要はなく、撮影が可能です。

空港等の周辺の空域

「空港等の周辺の空域」については、国土交通省のWebサイトで次のように記載されています。

空港等の周辺の空域は、空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、
転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、
(進入表面等がない)飛行場周辺の、
航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域です。
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

飛行を予定している空域が、「空港等の周辺の空域」に該当するかどうかは、次のもので確認ができます。

  • 進入表面等の設定状況(広域図・詳細図)
  • 国土地理院「地理院地図」

緊急用務空域

「緊急用務空域」については、国土交通省のWebサイトで次のように記載されています。

警察、消防活動等緊急用務を行うための航空機の飛行が想定される場合に、
無人航空機の飛行を原則禁止する空域(緊急用務空域)を指定し、
当ホームページ・Twitterにて公示します。
空港等の周辺の空域、地表又は水面から150m以上の高さの空域、
または人口集中地区の上空の飛行許可があっても、
緊急用務空域を飛行させることはできません。
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

「緊急用務空域」での飛行は禁止されているので、空撮許可は得られないと考えましょう。

地表又は水面から150m以上の高さの空域

「地表又は水面から150m以上の高さの空域」については、国土交通省のWebサイトで次のように記載されています。


地表又は水面から150m以上の高さの空域を飛行させる場合には、
許可申請の前に空域を管轄する管制機関と調整をおこなってください。
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

国土交通省によって、「空域を管轄する管制機関の連絡先等」が公表されているので調整時に利用しましょう。

人口集中地区の上空

「人口集中地区の上空」については、国土交通省のWebサイトで次のように記載されています。


人口集中地区は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域です。
当該地区については、「人口集中地区境界図について」
(総務省統計局ホームページ)をご参照下さい。
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

ドローン撮影の予定空域が、「人口集中地区の上空」に該当するかどうかは、次のサイトで確認することが推奨されています。

  • 「地理院地図」(国土地理院)
  • 「地図で見る統計(jSTAT MAP)」(e-Stat 政府統計の総合窓口)
  • 【参考】jSTAT MAPによる人口集中地区の確認方法

ドローンでの撮影許可を得るには【承認申請が必要な飛行方法】

ドローン撮影予定の空域が、飛行禁止空域であるかどうかに関わらず、飛行方法で守らなくてはいけないルールがあります。

国土交通省のWebサイトで、飛行方法について次のように記載されています。

  1. アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
  2. 飛行前確認を行うこと
  3. 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
  4. 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
  5. 日中(日出から日没まで)に飛行させること
  6. 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
  7. 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  8. 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
  9. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  10. 無人航空機から物を投下しないこと

5~10については、あらかじめ地方航空局に申請し、承認を得る必要があります。

引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

ただし飛行禁止空域での飛行、および5~10の承認が必要となる飛行ルールについて、次のような場合においては適用されないことになっています。


飛行禁止空域及び承認が必要となる飛行の方法5号~10号の飛行ルールについては、
事故や災害時に、国や地方公共団体、
また、これらの者の依頼を受けた者が捜索又は救助を行うために
無人航空機を飛行させる場合については、適用されないこととなっています。
一方、本特例が適用された場合であっても、
航空機の航行の安全や地上の人等の安全が損なわれないよう、
必要な安全確保を自主的に行う必要があることから、
当該安全確保の方法として、以下の運用ガイドラインを当局として定めていますので、
特例が適用される機関や者については、
本運用ガイドラインを参照しつつ、
必要な安全確保を行うようにして下さい。
航空法第132条の3の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン
引用:国土交通省|無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法

承認が必要な飛行方法と例

次の飛行方法をともなう撮影をおこなう場合は、国土交通省へ申請して承認を得る必要があります。

承認が必要な飛行方法 該当例 概要
夜間飛行 夜景撮影 季節や地域によって「夜間」の時間帯が変化するので注意
目視外飛行 ・双眼鏡や望遠鏡で数km先のドローンを確認している状態
・FPV(一人称視点)ゴーグルを使用したドローンレース
操縦者から機体の位置や状況が目視できない状態が発生する場合
人や建物と30m未満の距離での飛行 ドローンを第三者や第三者の建物の30m未満に近づける場合 ドローンの操縦者や補助者、協力者、関連人物が所有する車や建物は対象外
催し場所での飛行 お祭りや野外イベントなどでの空撮 ・大人数が集まる場所で飛行する場合
・安全面においてどのような対策がされている等の資料も申請に必要
危険物輸送 ・ガソリンや火薬
・農作業での「農薬」
・救急運搬の「アルコール消毒液」
・イベント時の「花火」
凶器、毒物類、火薬類、引火性液体などに該当する恐れがあれば航空局へ確認
物件投下の禁止 ・農作業での「農薬の散布・噴霧」「水を撒く」行為
・ボールや箱などの物体投下
液体・個体に係らず「ドローンから投下」にあたる場合

ドローン撮影許可を得るための申請先は?

ドローンでの撮影前に、飛行予定の空域や飛行方法に応じた申請先を確認し、提出しなければいけません。

申請の提出先 飛行予定の空域や飛行方法
空港事務所 空港等の周辺の空域
地表又は水面から150m以上の高さの空域
航空局 人口集中地区の上空
夜間飛行
目視外飛行
危険物輸送

空港事務所は、飛行予定の場所を管轄区域とする事務所が該当します。

国土交通省の「国土交通省、地方航空局及び空港事務所の連絡先等一覧」を参考にしてください。

引用:国土交通省|地方航空局への無人航空機の申請窓口の移管について

航空局は、「東京航空局」「大阪航空局」の2つがあり、都道府県によって管轄が異ななります。

東京航空局 大阪航空局
北海道、青森県、岩手県、宮城県
秋田県、山形県、福島県、茨城県
栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県
東京都、神奈川県、新潟県
山梨県、長野県、静岡県
富山県、石川県、福井県、岐阜県
愛知県、三重県、滋賀県、京都府
大阪府、兵庫県、奈良県
和歌山県、鳥取県、島根県
岡山県、広島県、山口県、徳島県
香川県、愛媛県、高知県、福岡県
佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
宮崎県、鹿児島県、沖縄県
住所:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
部署:東京航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて
FAX:03-5216-5571
Mail:cab-emujin-daihyo@mlit.go.jp
住所:〒540-8559 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76
部署:大阪合同庁舎第4号館大阪航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて
FAX:06-6920-4041
Mail:cab-wmujin-daihyo@mlit.go.jp

申請方法は主にオンラインと郵送

オンライン申請と郵送(持参を含む)申請の、2つの方法を表にまとめました。

申請方法 手続き参考 申請に必要な条件・時間
オンライン 『DIPS』(ディプス|
ドローン情報基盤システム)
・飛行開始予定日の少なくとも
10開庁日前までに不備等がない状態で提出
書類郵送 無人航空機の飛行に関する
許可・承認申請書(様式)〔word形式〕
・飛行開始予定日の少なくとも
10開庁日前までに不備等がない状態で提出
・郵送にかかる時間
・切手付きの返信用封筒の同封が必要

国土交通省では、オンライン申請を推奨しており、『DIPS』(ディプス|ドローン情報基盤システム)と呼ばれる申請システムを利用することになります。

アカウントを作成し、ガイドに従って選択肢をクリックしていくだけなので、書類郵送よりも簡便で、申請時間も短縮できます。

郵送申請は、申請書を印刷して項目を記載、許可に応じた申請先に送付します。

オンラインに比べ、郵送する分の時間や手間がかかりますので、撮影スケジュールには余裕を持っておこないましょう。

ドローンでの撮影時に必要な配慮

ドローンでの撮影時には、航空法はもちろん、軽犯罪法や迷惑防止条例などにも配慮が必要です。

配慮が必要となる、規制例と概要についてまとめました。

規制例 概要
小型無人機等飛行禁止法 国会議事堂、総理官邸、外国公館、自衛隊施設/
米軍施設その周辺地域、原子力事業所を含む周辺エリア等、
飛行禁止としている空域で飛行した場合
軽犯罪法 許可なく他人の住宅など、
プライバシーに関わる情報の侵害が行われた場合
道路交通法 公道でドローンの離着陸を行う場合
車両運行に影響を及ぼす低空飛行を行う場合
刑法 操縦するドローンが他人を傷つけた場合(過失傷害)
文化財保護法 操縦するドローンが文化財指定の物件を破損した場合
民法 第三者の許可を得ずに撮影した場合(肖像権の侵害)
許可なく他人の私有地を飛行した場合(所有権の侵害)

ドローンの飛行自体が迷惑行為にあたってしまうと、各自治体の迷惑防止条例に抵触する恐れもあります。

ドローンでの撮影飛行をおこなう場合は、所有者や操縦者には必要な知識と適切な運用が求められます。

まとめ|ドローンでの撮影許可を得るには各種法律やルールを守ろう

ドローン(無人航空機)での撮影許可を得るには、次の手続きや航空法などの各種法律、ルールを守ることが必要です。

必要な手続き 対象 内容
機体登録 重量100グラム以上の無人航空機
(ドローン・ラジコン機など)
・ドローン所有者の氏名や住所、機体情報などを登録
・申請して個別の登録記号(ID)の通知を受ける
・IDは飛行時に機体にシールなどで表示する必要がある
申請での許可取得 飛行禁止空域で飛ばす場合 ・空港等の周辺の空域
・緊急用務空域
・地表又は水面から150m以上の高さの空域
・人口集中地区の上空
申請での承認取得 特定の飛行方法の場合 ・夜間飛行
・目視外飛行
・人又は物件から30m以上の距離が確保できない飛行
・催し場所上空の飛行
・危険物輸送
・物件投下
その他 注意点 すべてのドローン ・軽犯罪法
・道路交通法
・刑法、民法等

また、ドローンでの撮影前に、許可・承認をえるための申請を提出しなければいけません。

申請の提出先 飛行予定の空域や飛行方法
空港事務所 空港等の周辺の空域
地表又は水面から150m以上の高さの空域
航空局 人口集中地区の上空
夜間飛行
目視外飛行
危険物輸送

申請方法には、オンライン申請と郵送(持参を含む)申請の2つがあります。

撮影スケジュールに影響が出ないよう、余裕を持って申請をおこなってください。

申請方法 手続き参考 申請に必要な条件・時間
オンライン 『DIPS』(ディプス|
ドローン情報基盤システム)
・飛行開始予定日の少なくとも
10開庁日前までに不備等がない状態で提出
書類郵送 無人航空機の飛行に関する
許可・承認申請書(様式)〔word形式〕
・飛行開始予定日の少なくとも
10開庁日前までに不備等がない状態で提出
・郵送にかかる時間
・切手付きの返信用封筒の同封が必要
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