近年、都心には高層ビルやタワーマンションの建設が相次ぎ、外壁調査をする際、足場を組む、ゴンドラ、ロープアクセスによる打診ではコストが膨大になる一方です。
そこで、ドローンによる赤外線点検であれば、目視だけではわからない外壁内側の状況や変化も画像として認識できることから、ドローンによる赤外線点検が注目されています。
ドローン操縦の規制
いざ外壁調査のためにドローンを飛ばすとなった場合、誰でもどこでも、どのサイズを飛ばしていいというわけではありません。
100g以上のドローンを飛行させる場合には規制があります。
航空法による飛行規制空域は次の通りです。
- 空港等の周辺空域
- 人または住宅の密集している地域(人口集中地区(地域))上空
- 地表または水面から高さ150m以上の空域
- 緊急用務空域
これらの空域での飛行は、操縦ミスや落下により、重大な事故が起こる可能性が高いため、許可を受けなければ飛行させることができません。
赤外線外壁調査のためのドローン飛行の場合は、人口集中地区のほか、一部のタワーマンションや高層ビルの場合は、地表または水面から高さ150m以上の空域かどうかが問題になると思います。
地表または水面から高さ150m以上の空域については、具体的な数字の明記があるためわかりやすいですが、では人口集中地区とは、どのような場所を言うのでしょうか。
人口集中地区とは
人口集中地区の設定に当たっては、国勢調査基本単位区及び基本単位区内に複数の調査区がある場合は調査区を基礎単位として、原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域を「人口集中地区」としています。
注意することとしては、人口集中地区内の飛行の場合は、私有地の敷地内であっても、国土交通大臣の許可を得ない限り、飛行させることはできないので注意が必要です。
これは操作を誤ることで近隣の人や物件に危害を及ぼす可能性もあることから許可を必要としていますので、無人航空機が飛行範囲を逸脱することがないようにすることは必須です。四方や上部がネット等で囲われている場合は、屋内とみなされ、許可が不要になります。
ルール
多くの事故もルールの把握、無視が原因で起きていることがほとんどです。飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合には、以下のルールを必ず守る必要があります。実際にドローンを飛行させる方は必ず頭に入れておいていただくようお願いいたします。
- アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
- 飛行前確認を行うこと
- 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
- 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
- 日中(日出から日没まで)に飛行させること
- 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
- 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
- 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
- 爆発物など危険物を輸送しないこと
- 無人航空機から物を投下しないこと
飛行の許可を受けた場合であっても、国土交通大臣の承認がなければ日没後に飛ばしたりなどはできないので注意が必要です。
実践
外壁調査のためにドローンをいざ使おうと思って触ってみると、頭では十分にイメージはできてはいるもののうまくいかないことが多いとよく耳にします。何事もそうですが、ドローンも練習すれば誰でもうまく操縦することができるようになります。せっかく買った思い入れのある高価なドローン、近年事故も多いと問題になっていることから壊さないためにもうまく操作できるようコツをご紹介していきます。
ドローンの学び方の方法として独学とスクール二つの方法がありますが、私はスクールに通うことを強くおすすめします。ドローンはラジコンのようなイメージでスクールに通うほどのことではないと思いがちですが、圧倒的に上達スピードが違います。短期間で効率よく学ぶにはスクールに通う方が賢明です。
ここでは導入として飛ばし方、コツを述べていきたいと思いますが、やはり実践あるのみなので少しでも興味をお持ちであれば実際に操作をしてみましょう。
STEP1 :基本操作の徹底
ドローンは機体本体とバッテリー合わせ100グラム以上のものは、ドローン規正法の対象となります。
目視できる範囲内で飛ばす、日中から日没までに飛ばすなどの国土交通省が定めるルールを守る必要があります。
まずはドローンの飛ばし方を理解する前に、その基本から確認する必要があります。
ドローンスクールではドローンパイロットにとって必要になる規制や航空法の知識はもちろん、ドローン操作の基礎を重点的に学べます。
またドローンパイロットの認定書も取得できるうえ、ドローンビジネスを始めるにあたって大切になる業界の人脈も得ることができるのも魅力と言えます。
スロットルやスティックを倒すことでドローンを動かすことはできますが、一度動き出したものを止めるには、倍以上の時間がかかります。スティックを傾けてしまうと、思った以上に進むと感じるので、スティックを完全に倒して動かすことは基本的に避けた方が好ましいです。現在のドローン技術では、急激な方向転換を行うことができる性能は持ち合わせていません。
STEP2: 高さの感覚を掴む
高さの感覚を掴むこともドローンを練習するポイントのひとつです。ドローンにはアプリなどを利用した詳細な位置情報を表示するシステムが大抵採用されているので、自分が「3メートル上げた」という操縦の感覚とGPSやセンサーの測定によって導出された実際の距離とを合わせていく必要があります。モニターを見ながら何度も練習するしかありませんが、ドローン操縦者の知覚的な感覚を実際の数値とすり合わせていきましょう。地面に目印となるものを設置して、奥行きの感覚を掴むことも重要です。
モニターなどに表示された通知をまったく見ずに目印から目印へと移動させ、その目印を設置した場所とホバリングした場所とが一致するようになるまで練習します。このような練習で感覚を掴むことができれば、コントロールを失う不安がなくなり、冷静にドローンを操縦できるようになるでしょう。
まとめ
ドローンによる外壁調査は低コスト、短時間で安全のため人気を集めております。
ドローンの飛行許可申請は慣れるまでに時間がかかるだけでなく、飛行開始予定日の10 開庁日前までに不備等がない状態で提出する必要があるため、万全の申請をしなくてはなりません。
途中から言葉でつらつらコツを述べてきましたが、何度も申し上げている通り上達の近道はコツよりもまず先に実践あるのみで、より多く触った方がいいです。その中で改めてまとめると3つです。
独学の場合以上のことを念頭に練習すれば上達も早く周りから一目置かれる存在になるかもしれません。コツも大事ですが、コツコツ日々の積み重ねが大事かもしれません。