2022年12月現在、さまざまな分野で活躍しているドローン。
最近では、2021年に開催された東京オリンピックの開会式でドローンを利用したパフォーマンスを目にした人は多いのではないでしょうか。そんなドローンは建築関係の職業でも活躍しています。
そこで本記事では、ドローンがどのように建築関係の仕事で活躍しているのか解説していきます。ぜひ参考にしてください。
ドローンの建築関係での活用分野
ドローンの活用方法でメジャーなのは空からの撮影「空撮」ですがどのように建築関係で利用されているのでしょうか。
ドローンは建築関係の現場で「測量」、「点検・メンテナンス」、「施工管理」などといったことで活用されています。
また、「空撮」を利用することで建築関係の職業をより安全に効率よく行えるようになります。
ここではドローンの建築関係での活躍を解説していきます。
測量
まずは「測量」です。
従来の測量は測量機器を利用して人力で行っていたため、時間や人件費といったコストがかかっていました。
しかし、ドローンで測量をできるようにしたところ測量にかかる時間が大幅に削減され人件費などのコストの削減につながりました。
ドローンの測量での活用方法は空撮を利用して空から現場を撮影し、撮影した画像を解析し3Dの設計図にする方法です。
大手の建築会社が実際にドローンを測量に利用してダムの建設や土量計算を行った事例もあります。
今後ドローンの進化によって測量の精度もさらに向上します。
そのことによってさらに業務の効率化につながります。
また、今までには見たことのないような建築物の設計をすることも可能になる可能性もあります。
点検・メンテナンス
ドローンは「点検・メンテナンス」にも活用されています。
点検・メンテナンスは今までは現場に足を運び目視で行われていました。
ビルやダムなどの大きな建設物に足を運び点検・メンテナンスを目視で行うと膨大な時間がかかります。
また、危険な場所の点検・メンテナンスを人が行うと最悪の場合、大きな事故につながってしまいます。
しかし、ドローンで点検・メンテナンスを行うことでビルやダムといった大きな建設物の点検・メンテナンスにかかる時間を削減することができます。
また、危険な場所の点検・メンテナンスもドローンで行うことで事故が起こりにくくなり安全になります。
ドローンの点検・メンテナンスでの利用方法は、空撮を利用して撮影した映像や画像をもとに不良が起きていないかを確認する方法やドローンで赤外線撮影を行い、点検・メンテナンスが必要な場所を特定する方法があります。
今後ドローンの進化によって、点検・メンテナンスの精度も向上する可能性が高いです。
さらに安全で迅速に点検・メンテナンスを行えるようになります。
施工管理
「施工管理」にもドローンが活用されています。
施工管理は工程管理、安全管理、品質管理などさまざまなところまで配慮が必要な職業です。
従来はこのような配慮を人力で行っていたため、工事の規模が大きくなればなるほど管理が大変になっていました。
しかし、施工管理をドローンで行うことでさまざまな配慮の品質の向上やコストの削減といったことにつながります。
実際に大手建築会社がドローンを利用して、建築現場の安全管理や品質管理などの施工管理を行っています。
また、ドローンの進化によって施工管理の品質の向上や人件費などのコストの削減につながります。
ドローンを建築関係で導入するメリット
先ほどはドローンの建築関係での活用分野を解説しました。
そこで、ドローンを建築関係で導入するさまざまなメリットが見えてきました。
ここでは、ドローンを建築関係で導入するメリットを解説していきます。
安全性の向上
ドローンを建築関係で導入することで「安全性の向上」につながります。
建築関係の現場は危険なことが多いですが、ドローンを活用することで事故を未然に防ぐことができます。
例えば、高層ビルやダムの点検を人が行うととても危険ですが、ドローンの空撮を利用して行うことで人が危険な場所に足を運ぶことを減らせるので事故が起こりにくくなります。
このように、ドローンを建築関係で導入することで事故を防げるので「安全性の向上」につながります。
また、今後ドローンが進化することで、修復しなければならないところが見つかった場合でもドローンで対応できるようになり、さらに安全性の向上につながります。
コストの削減
ドローンを建築関係で導入することで「コストの削減」につながります。
測量などは、従来は測量機器を利用して人力で行っていたため、時間と人件費がかかってしまっていました。
しかし、ドローンを導入することで空撮による測量を行えるので時間と人件費を削減することができます。
品質の向上
ドローンを建築関係で導入することで「品質の向上」につながります。
従来は人が目視でさまざまな作業を行っていたことで見落としの可能性がありました。
しかし、ドローンを利用することで映像や画像を記録できるので作業の見落としなどの可能性を大幅に下げることができ、品質の向上につながります。
ドローンを利用する際の注意点
ドローンはとても便利なものですが、利用する際に注意しなければならないことがあります。国土交通省が発表している注意点を見ていきましょう。
飛行場所にかかわらず(私有地内であっても)、以下の「禁止エリア」「禁止ルール」の条件でドローンの飛行が制約されるようになりました。ただし、国土交通省より特別な許可をうければ飛行は可能です。
都市圏内などは特に許可が無い一般の方や、とりあえずドローンを購入した企業のご担当者さんは、自由にドローン飛行ができなくなってしまいました。しかし、撮影業者のように許可を取得している人は、法規制によりルールが明確化。ドローン飛行がしやすくなったと言えます。
国土交通省から特別な許可を取得すると、「許可証」が発行され、許可内容に沿っていれば禁止エリア・禁止ルールの飛行であってもフライトが可能になります。
許可なくドローン飛行ができない「禁止エリア」
①空港等の周辺(進入表面等) の上空の空域
空港やヘリポートなどの周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域では許可の無いドローンの飛行は禁止です。そのため、空港の近くでのドローン飛行は要注意となります。下記の国土地理院ウェブサイトより確認できますが、撮影予定地の空港事務所へお問い合わせした方がより安全です。必ず許可を取り飛行を行いましょう。
②150m以上の高さの空域
航空機やヘリコプターなどとの衝突などを防止するために、上空150m以上での許可の無い飛行は禁止です。
③人口集中地区の上空
平成22年の国勢調査の結果による人口集中地区の上空は許可なく飛行が禁止です。繰り返しになりますが私有地であっても許可なく飛行はできません。都市圏でのドローン飛行は多くがこの条件に該当します。詳細は下記の総務省統計局のウェブサイトより確認できます。赤くなっている場所は許可なく飛行ができない人口集中地区となります。
ドローン飛行ルール「禁止ルール」
特別な許可が無い限りは、下記のルールに沿ったドローン飛行を行う必要があります。
よく該当するのは3番目の30m以上の距離を保つルールですが、このルールに関しては私有地内の当事者(依頼者や関係者)の人、建物は該当しません。
1.日中(日出から日没まで)に飛行させること
2.目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
3.人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
4.祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
5.爆発物など危険物を輸送しないこと
6.無人航空機から物を投下しないこと
小型無人機等飛行禁止法について
2016年4月7日には国が定める重要施設付近でのドローン全般の飛行を禁止する、小型無人機等飛行禁止法が施行されました。東京都の永田町周辺と、原子力事業所、サミット会場となる富山国際会議場(富山県)、つくば国際会議場(茨城県)など。周囲おおむね300メートルの地域は飛行が禁止です。詳しくは警察庁ウェブサイトより確認できます。
撮影業者が取る許可の種類
通常、私たちのような撮影業者が許可の手続きを行う場合は、『サンプル商事さんからのご依頼で、サンプル商事名古屋工場の外観を●月●日から■月■日のいずれか1日間でドローン撮影したい』という申請を国土交通省へ提出し手続きをします。手続きが受理されると「許可証」が発行されます。かなり申請内容は端折りましたが大量の書類が必要です(泣)
現在(2016年5月時点)全国からのドローン飛行の申請依頼がパンパンな状態で、許可には数週間かかります。国交省への「いつまでに許可もらえますか?」という質問にも、なかなか返事がもらえない状態です。余談ですが国交省の担当のヒトから、朝方にメールが来たりして、不眠不休で処理されているのかなぁ。と想像してしまうほど依頼が殺到しているような感じです。
あらかじめ撮影スケジュールがはっきりしている許可であれば、どうにか前もって手続きをすれば問題無いのですが、私たちのような撮影業者は「いつお客さまより急な撮影依頼があるかもしれない」状態です。そういった場合に、「撮影場所を特定しない許可申請方法(最大1年間の期間が有効)」があります。書式は撮影場所を特定した書式と同じです。ただし、撮影場所・撮影日時もわからない状態で許可を出すには国交省側も勇気がいるとの事なので、審査はかなり厳しくなっているように思えます。
ドローン空撮 Birds Eyeを運営する思創堂では、日本全国を対象として許可を頂いておりますので、一部条件を除く禁止エリアや禁止ルールの適応範囲内でもドローン撮影が可能となります。
引用:3分でわかる!国土交通省ドローン規制法
建築関係の仕事中でも以上のことを守らなければ罰則を受けてしまうので注意しましょう。
まとめ
本記事ではドローンがどのように建築関係で活躍しているのか解説しました。
- 現在「測量」、「点検・メンテナンス」、「施工管理」で活躍している
- ドローンを導入するメリットは「安全性の向上」、「コストの削減」、「品質の向上」
- ドローンは国土交通省が発表している注意点を守って利用しないと罰則を受ける
ドローンはこれからさらに進化していく可能性が高いです。
ドローンの進化によって今よりも多くの場面で活躍できるようになります。
今後ドローンの進化に目が離せません。