カメラ好きや映像をつくるクリエイターにとってドローンでの撮影は可能性を広げてくれます。
市販のドローンも多く発売されているなかで、ドローンの規制を知らずに無闇に飛ばしてしまうと他人に迷惑をかけるだけでなく、警察沙汰になってしまうことも。
そこで、今回はドローンの規制について詳しく紹介していきます。
ドローンが規制されたきっかけからドローン飛行で規制されていること、ドローンに対する規制は今後どのようになっていくのかなど様々な視点から取り上げていきます。
ドローンを活用して映像を撮りたい、操縦してみたいと思っている方はぜひ最後まで御覧ください。
ドローンが規制されたきっかけ
そもそもドローンとは、2015年7月航空法改正により無人で操縦または自動操縦ができ、重量200g以上の機体と定義されました。
航空法が改正され、ドローンが規制されるきっかけとなったある事件を紹介します。
それが、「総理官邸ドローン落下事件」。
2015年4月に総理官邸屋上で所有者不明のドローンが発見されました。
それまでドローンに対する法律や規制がほとんどなかったことから、ドローン規制の必要性について話し合われるようになり、2017年7月に航空法改正によりドローン飛行に関する規制が制定されました。
ドローンに規制が必要な理由
ドローンに関する規制が制定された理由は、主に落下の危険とプライバシーなどを侵害する可能性があるからです。
ドローンは、無人操縦または自動操縦のため機器の故障や操縦ミスなどがあると落下の恐れがあります。
最高高度150mにも及ぶドローンが、落下すれば万が一の事態が生じかねません。
また、前述した「総理官邸ドローン落下事件」のように他人の敷地に入ることも敷地権の侵害にあたります。
落下のリスクはもちろん権利侵害の観点からもドローンの規制は必要といえます。
ドローン規制-飛行の空域・場所-
飛行の空域・場所についてのドローン規制は、次の4つです。
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
高さ150m以上の空域
航空法132条1項1号、同法施行規則236条4号により地表、または水面から150m以上の空域でのドローン飛行は原則禁止されています。
150m以上になると目視が難しくなり操縦ミスが起こるリスクが高まります。
また、高度が上がるほど、航空機などとの衝突の可能性もでてきます。
高さ150m以上をドローン飛行する場合は、事前に国土交通大臣の許可が必要になるので注意しましょう。
空港周辺の上空
航空法132条1項1号、同法施行規則236条1号~3号により空港周辺の上空でドローンを飛行させることは原則禁止されています。
航空機との衝突を避けるためです。
航空機との接触は、機体を損傷させるだけでなく人命に大きく関わる問題でもあるため、厳しく規制されています。
空港周辺の空域は複雑になっており、空港に近い場所と離れた場所で規制される高さが異なります。
基本的な禁止空域は、羽田・成田・関西・釧路・大阪国際・那覇などの主要な空港は、24km以内。その他の空港は、6km以内の範囲が禁止とされています。
事前に許可を取得できればドローンの飛行が可能になるため、詳細は空港等の管理者にお問い合わせください。
緊急用務空域
消防や警察などの緊急用務を行う空域では、航空機の安全を確保するためにドローン飛行は禁止されています。
自然災害などで被害を受けた地域において、捜索や救出活動をする上で必要な航空機の活動を邪魔しないのが目的です。
緊急用務空域については、国土交通省のTwitterまたはホームページにて更新されるので、ご確認ください。
人口集中地区の上空
航空法132条1項2号、同法施行規則236条の2により、人口集中地区の上空でのドローン飛行は原則禁止されています。
人口集中地区などの家屋が密集した場所にドローンが落下してしまった時、多くの被害がでる確率が高まります。
人口集中地区は、5年毎に行われる国勢調査の結果から決まっており、総務省統計局ホームページから確認できます。
ほとんどの都市部は、事前の許可が必要だと考えておきましょう。
ドローン規制-飛行方法-
飛行方法についてのドローン規制には、禁止・遵守しなければいけない行為と国土交通省の承認が必須の行為があります。
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
禁止・遵守
ドローンの飛行方法について禁止・遵守すべき行為があります。
ドローンを安全にかつ迷惑をかけずに楽しむために知っておくべき知識なので、よく確認しておきましょう。
飲酒したら操縦禁止
飲酒をしてドローンを操縦することは禁止されています。
航空法により飲酒運転にあたるため、違反した場合は罰則の対象となります。
また、アルコールだけでなく薬物などの影響で正常に飛行できない恐れがある場合にもドローンの飛行は禁止されています。
重大な事故を引き起こしかねないので、飲酒しての操縦はやめましょう。
危険な飛行の禁止
航空法によりドローンの危険な飛行は禁止されています。
こちらも、違反した場合は罰則の対象となります。
具体的には、人やモノに必要以上に接近したり、人が密集している場所での低空飛行など他人に迷惑を及ぼす飛行方法は全て禁止されています。
飛行上必要のない高調音で急降下するなど騒音にも注意しましょう。
飛行前点検の遵守
航空法により飛行前点検の遵守が義務付けられています。違反した場合は罰則の対象となります。
ドローンが飛行に支障がないこと、必要な準備が整っていることを確認した後でなければドローンを飛行させてはいけません。
具体的に見るべきポイントは、以下の通りです。
- 本体に損傷がないか
- バッテリーが十分に充電されているか
- プロペラガードなどの装備が整っているか
- 通信系統は正常に作動するか
- 当日は飛行に問題のない天候であるか
- 飛行経路に航行機や他のドローンが飛行していないか
その他、ドローンを安全に飛行させるために事前のチェックを怠らないようにしましょう。
衝突予防の遵守
航空法により衝突予防の遵守が義務付けられています。違反した場合は罰則の対象となります。
ドローンを飛行中に、航空機や他のドローンを見つけた場合は地上に降下させる、安全な間隔をとって飛行するなど衝突しないように操縦しましょう。
地上に降下できない場合は、航空機や他のドローンと別の方向に飛行させることで衝突を回避しましょう。
国土交通大臣の承認が必須
ドローンの飛行方法について国土交通大臣の承認が必須な行為があります。
基本的には、禁止されている行為ですが国土交通大臣の承認を得られた場合のみ飛行できます。該当する行為を行う場合は必ず申請しましょう。
夜間飛行
航空法により夜間飛行は禁止されており、違反した場合は罰則の対象となります。
夜間とは日の出前または日没後を指し、正確には、国立天文台が発表する「日の出」「日の入り」時刻を外れると違法行為となるので注意しましょう。
地域によって時刻が異なるため、事前に確認が必要です。
また、機体や操縦者、安全確保体制に関する一般基準に加え、機体や操縦者、安全確保体制について追加基準が定められています。
以上の条件を満たすことができ、国土交通大臣からの承認を得られればドローンの夜間飛行は例外的に可能になります。
目視外飛行
航空法により目視外飛行は禁止されています。違反した場合は罰則の対象となります。
メガネやコンタクトレンズを着用した場合は、「目視」となりますが、双眼鏡やモニター、補助者による監視は「目視」にあたらないので注意しましょう。
ドローンの安全を確保する上で、目視できるかは非常に重要です。
様々な状況で常に目視できない場合は、国土交通大臣の承認が必要です。
30m未満の飛行
航空法により30m未満の飛行は禁止されています。
違反した場合は罰則の対象となります。
人、モノとの距離が30m未満の飛行は、重大な事故に繋がる可能性があるため禁止されています。
ここでの「人」は関係者以外を指し、「モノ」は関係者が所有または管理する物件以外を指します。
そのため、自分の管轄外でドローンを飛行させる場合は国土交通大臣の承認が必要になります。
催し場所での飛行
航空法により催し場所での飛行は禁止されています。違反した場合は罰則の対象となります。
催し場所とは、野外フェスティバルやお祭りなどのイベントで、不特定多数の者が一つの場所に集まる状況でドローン飛行は落下の危険などから禁止されています。
特定の場所・日時に開始される不特定多数の者の集まる催しでの飛行は禁止されていますが、自然発生的にできた催しや集合は含みません。
原則、開始時間から終了時間までが規制の対象となりますが、国土交通局の相談しトラブルのないようにしましょう。
危険物輸送
航空法により危険物の輸送は禁止されています。違反した場合は罰則の対象となります。
「危険物」とは、爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損壊する恐れのある物件と定義されています。
具体的には、凶器・毒物類・火薬類・引火性の液体などが該当します。
危険物を輸送する場合は、国土交通大臣の承認が必要になるので注意しましょう。
物件投下
航空法により物件投下は禁止されています。違反した場合は罰則の対象となります。
物件投下をする場合、輸送物が落下する危険性やドローン自体がバランスを崩し、落下する危険があります。
そのため、ドローンでの物件投下は国土交通大臣の承認が必要です。
液体・霧状のものを散布する行為も物件投下に該当するので、水や農薬を散布する場合も承認が必要になります。
ただし、計測機器等を設置する(置く)行為は「物件投下」に該当しません。
機体の機能及び性能の規制
ドローン機体の機能及び性能に対する規制があります。
安全に飛行する上で大事なことなので覚えておきましょう。
ドローンの機能として安全性が求められ、それらを判断するにあたって3つの満たすべき基準があります。
1つ目は「全ての無人航空機(機体)が備えるべき機能・性能に関する一般基準」と呼ばれるものです。
基準に適合することを国が確認した機体(基準適合機)については、許可・承認の申請が一部省略できます。
2つ目が「最大離陸重量25kg以上の無人航空機(機体)が備えるべき機能・性能に関する一般基準」と呼ばれるものです。
最後が「飛行空域・飛行方法に応じて求められる基準」と呼ばれるものです。
全て条件を満たす必要があるので、よくご確認ください。
操縦者の飛行経歴・知識・技能の規制
操縦者の飛行経歴や知識、技能についても規制があります。
それは、機能面で問題のないドローンであっても、操縦者が十分な技能を持っていないと安全な飛行が保証されないからです。
操縦者には「無人航空機の操縦者が備えるべき飛行経歴・知識・技能に関する一般基準」「飛行空域・飛行方法に応じて求められる基準」を有することが定められています。
「無人航空機の講習団体及び管理団体」の講習修了者は、修了証明書の写しを提出すると許可・申請を一部を省略できます。
詳細は、国土交通省航空法ホームページをご確認ください。
安全確保体制の規制
ドローンを安全に飛行させるために、安全確保体制に関しても規制があります。
運用面で飛行の安全が確保できるかが承認審査で求められるので、よく確認しましょう。
安全確保体制で確認すべきことは、以下の6つです。
- 安全確保体制の構築
- 飛行マニュアルの作成
- 無人航空機の点検・整備
- 飛行記録の作成
- 飛行実績の報告
- 事故等の報告
1,2日で用意できるものではないので、事前に準備をはじめておきましょう。
航空法以外のドローン規制
ここまでは、主に航空法に関するドローン規制について取り上げてきました。しかし、航空法以外にも注意すべき規制はあります。
そこで、ここからは航空法以外で気をつけるべきドローン規制について紹介します。
航空法以外のドローン規制は、主に次の4つです。
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
施設に関するドローン規制
施設に関するドローン規制は「小型無人機等飛行禁止法」です。建物の周辺でのドローン飛行を考えている方はご確認ください。
小型無人機等飛行禁止法とは、国会議事堂や官公庁、原子力発電所や政党事務所の周辺地域の上空でドローンを飛行させることを禁止する法律です。
国の重要施設等の周辺地域の上空をドローンで飛行することは、テロやプライバシーの観点から禁止されています。
一般的には、ドローンと呼ばれない200g未満のラジコン・マルチコプターも規制対象となります。
ただし、管理者等の同意を得るか公務に基づく飛行で、予め都道府県公安委員会へ通報された場合は例外的に認められます。
陸上に関するドローン規制
陸上に関するドローン規制は次の5つです。
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
道路交通法
道路上空からドローンで景色などを撮影するのは、特に問題ありません。
しかし、道路交通の安全と円滑な流れを滞らせる恐れがある場合は、「道路使用許可」が必要です。
道路交通法において、道路とは歩道も該当します。
そのため、歩道でドローンを使用する場合でも通行の妨げになる恐れがある場合は「道路使用許可」を申請しましょう。
また、ドローンと自動車の距離が30m未満になる場合は前述したように国土交通大臣の承認が必須になります。
都市公園法
都市公園法によって、ドローンの飛行や持ち込みが禁止されている場合があります。
都市公園とは、ブランコなどが設置されている公園のことで市民が快適に利用できる必要があります。
都市公園の管理者の管理行為によるため、使用したい場合は管理者にお問い合わせください。
地方公共団体が管理する都市公園では、一般的に条例により規制されているので注意しましょう。
自然公園法
自然公園法により自然公園でドローンを飛行させる場合にも他の利用者に対する配慮や自然保護を目的とした一定の規制があります。
都市公園に比べ、ドローンの規制は比較的緩やかです。
しかし、自然公園内であっても他人の土地の上空を飛行する場合は、土地所有者の承諾を得なければいけません。
自然公園の立入禁止地区への立ち入りと他の利用者に迷惑がかからないように配慮しましょう。
国有林野の管理経営に関する法律
国が所有し、国民の共有財産とされている国有林野の上空を飛行する際にも規制があります。
そのため、国有林への入林には「入林届」の提出が必要です。
国有林の管理経営に支障がないかを確認することが求められます。
また、「入林届」は1週間前の提出が必要なので、詳しくは各森林管理署にお問い合わせください。
他人の土地
民法により、ドローンを他人の土地の上空で飛行させる場合は、土地所有者の同意や承諾が必要になります。
万が一、無承諾で土地を侵害してしまった場合、妨害排除請求・妨害予防請求を受ける恐れがあります。
国土交通大臣の許可・承諾があったとしても、土地所有者の同意がなければ所有権侵害となる恐れがあるので注意しましょう。
さらに、ドローン飛行により土地所有者に損害が生じた場合は、損害賠償請求を受ける恐れがあるので気をつけましょう。
海上に関するドローン規制
海上に関するドローン規制は、次の2つです。
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
河川法・海岸法
基本的に、河川や海岸でのドローンの使用は禁止されていません。
ただし、管理者の管理行為によるため、管理者が禁止といえばドローンは使用できません。
河川によって自由にドローン飛行を行っていい場合や管理行為の一環として自粛を求められる場合があります。
また、一時使用届の提出を求められる河川もあるので、事前に確認しましょう。
河川同様、海岸においても自由使用の原則が認められています。
ただ、管理者にの管理行為によるため、確認が必要でしょう。海水浴場が設けられている場合を除いて、比較的緩やかに運用されています。
港則法・海上交通安全法
港則法と海上交通安全法は、海の道路交通法とされている法律です。
海上でのドローン飛行は、船舶交通の安全に支障を及ぼす恐れがあります。
港則法と海上交通安全法には、ドローンを規制する内容は含まれていません。
ただし、ドローン飛行が作業にあたる場合は、事前に許可や届出を行う必要があります。
港則法と海上交通安全法は適用海域が異なるため、よく確認しましょう。
その他の規制
その他のドローン規制は、次の7つです。
- 無人航空機の登録
- 報告徴収・立入検査
- 農薬・肥料・種子・融雪剤等の空中散布
- 飛行調整
- 飛行に影響を及ぼす恐れのある行為の禁止
- ドローンによる撮影映像等のガイドライン
- 電波法
ここからは、それぞれのドローン規制を詳しく解説します。
無人航空機の登録
航空法によりドローンを飛行させる際に、無人航空機の登録がされていないドローンは飛行させることはできません。
国土交通大臣は、無人航空機登録原簿をもとに登録を行います。
無人航空機の登録ができた場合は、登録記号などを通知してくれます。
その番号がない無人航空機はいわばナンバープレートのない車と同じなので、飛行することはできません。
報告徴収・立入検査
航空法により、国土交通大臣は、無人航空機の所有・使用・飛行・設計等について報告を求めることができます。
さらに、職員を事務所・工場等に立ち入らせ、無人航空機・帳簿等を検査させ、関係者に質問させることができると定められています。(報告徴収)
また、国土交通大臣は、その職員に事務所・工場等に立ち入って、無人航空機、帳簿、書類などを検査させ、関係者に質問させることができます。(立入検査)
ドローンの場合は、ドローンの飛行を行うものか設計などをする人が対象になります。
農薬・肥料・種子・融雪剤等の空中散布
ドローンを使用して、空中から農薬・肥料・種子・融雪剤などを散布する場合、「航空安全に関する規制」と「農薬の安全使用に関する規制」の双方を順守する必要があります。
また、農薬を安全に使用するための遵守事項として、「無人ヘリコプター/無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」も参照しましょう。
その他、航空法の順守と農薬取締法の遵守が求められます。
2015年に制定された「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」は、2019年7月30日付で廃止されているので、勘違いのないようにしましょう。
飛行調整
飛行調整とは、地震や大雨などによる大規模な災害が発生した時は、ドローンの飛行調整(飛行自粛)を求められる場合があります。
本来、国土交通大臣の許可・承認が不要な場所であっても、ドローンの飛行調整や通報を求められることがあります。
飛行調整に関しては、国土交通省ホームページをご覧ください。
飛行に影響を及ぼす恐れのある行為の禁止
航空法により、飛行に影響を及ぼす恐れのある行為は禁止されています。
航空機や他のドローンなどの飛行に影響を及ぼす行為は、地上の人やモノの安全も考えた上で規制されています。
ただし、公益上やむをえない一時的な行為については許可されることがあります。
ドローンによる撮影映像等のガイドライン
ドローンによる撮影は、プライバシー侵害・肖像権侵害を生ずる恐れがあります。
そのため、総務省はドローン撮影をする際の注意事項をまとめたガイドラインを作成し、公表しています。
ガイドラインでは、撮影される側のプライバシー権・肖像権、個人情報保護法との関係についての考え方を示しています。
インターネット上で撮影映像の公開を行う場合は、撮影の際に被撮影者の同意を得ることが第一優先です。
ただ、同意を得ることが困難な場合は、撮影態様の配慮、撮影映像への配慮、削除依頼への適切な対応に注意することが望ましいとされています。
電波法
ドローンなどの電波を発する無線設備を使用する際は原則、総務大臣の免許を受けなければなりません。
特に海外で使用されているドローンは、技適マークはない場合もあるのでご確認ください。
また、無線機を改造した場合、技適マークを抹消しなければなりません。
例外として、微弱無線局や小電力無線局に該当する場合のみ無線局の免許及び登録は不要です。
航空法が適用されない場合
これまで何度も出てきた航空法という法律。ただ、航空法が適用されないドローンもあります。
そこで、航空法が適用されない場合について紹介します。
航空法が適用されない場合は、次の4つです。
ここからは、それぞれについて詳しく解説します。
安全を損なう恐れのない飛行
前述してきたようにドローン飛行をするほとんどの場合、航空法が適用されます。
しかし、「安全を損なう恐れのない飛行」については国土交通大臣の許可・承認が必要ありません。
詳しくは、国土交通省令が定めている「安全を損なう恐れのない飛行」を御覧ください。
200g未満のラジコン・マルチコプター
ドローンは重量200g以上と定義されているため、200g未満のドローンは衝突や墜落による被害は極めて限定的だと考えられているため、無人航空機ではありません。
そのため、国土交通大臣の許可・承認を必要としません。
ただし、航空法第134条の3第1・2項により200g未満のラジコン・マルチコプターであっても、航空機の飛行に影響を及ぼす行為は規制されています。
また、航空法以外の規制については、普通のドローンと同じ規制が適用されるので注意しましょう。
屋内での飛行
屋内での飛行であれば、航空法の規制の対象外となります。
屋内であれば、第三者に被害を及ぼす可能性が少ないと判断されるからです。
そのため、国土交通大臣の許可・承認も必要ありません。
体育館やゴルフ場のようなネットで囲われた環境でも屋内とみなされるので、航空法の対象外です。
捜索・救助のための特例
災害地域でのドローン飛行は規制されると前述しましたが、国、地方公共団体から依頼を受けた者が、事故・災害に際し、捜索・救助のためにドローンを飛行させる場合のみ例外として、国土交通大臣の許可・申請なしに飛行させることができます。
ただし、無人航空機の操縦者が負っている安全確保の責務を解除するわけではないため、危険な飛行は規制されています。
国土交通省では、捜索・救助のために国土交通省の許可・承認を受けずに行う無人航空機の飛行に関する運用ガイドラインを定めているので、参照ください。
ドローンに対する規制は今後どうなるのか
ここまで、ドローンの規制について紹介してきました。ドローンを規制する法律は変更を重ねています。
「レベル4飛行」と呼ばれる人の多い地帯でドローンの目視外飛行を認める法律が2022年12月5日に施行されました。
ドローンの有用性は、常に指摘されており物流から災害時の救出活動まで幅広く活躍できることが証明されています。
しかし、有人地帯での目視外飛行は危険も伴います。
そのため、航空法の改正案では、新たに「無人航空機操縦士」というの資格を設けて、資格取得者には「レベル4飛行」を認めるという内容の条文が盛り込まれています。
今後、ドローン事業を行おうと考えている方は「レベル4飛行」のライセンス取得が必須になるでしょう。
まとめ
ここまで、ドローンの規制について詳しく紹介しました。
ドローンは規制されたきっかけからドローン飛行で規制されていること、ドローンに対する規制は今後どのようになっていくのかなど様々な視点からドローン規制について取り上げました。
ドローンの有用性は、人命を救うほどの可能性を持っています。
しかし、誤った飛行方法や場所で飛行すると他人に迷惑を掛けるだけでなく、重大な事故に繋がりかねません。
ドローン規制について正しく理解し、規制を守って飛行しましょう。