ドローンの強みが農業に活きる!農薬散布や追肥も活用方法を解説!

ドローンの強みが農業に活きる!農薬散布や追肥も活用方法を解説! ドローン
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いま、ドローンの農業分野への活用方法が注目を浴びています。高齢化する日本の農業に、新たな価値をもたらす可能性を持つのがドローンです。

この記事では「なぜドローンが農業分野で期待されているのか」「ドローン導入に興味はあるけど、どこに相談したらよいのか」など、ドローンの農業活用について知っておきたい基本知識を紹介します。

ドローンを使った農業に興味のある人はぜひご覧ください。

ドローン農業

ドローン農業

農林水産省では、日本の農業の維持・発展のためにさまざまな対策がなされてきました。農業分野の人口は減少傾向が続き、人手不足は慢性化しています。また、作業にあたる世代の高齢化はますます深刻化しています。

このような状況のなかで、農林水産省では、ドローンを生かした農業を推し進めています。ドローンによる農作業負担軽減は、スマート農業にもつながる、新しい日本の農業のカタチとして期待されています。

ドローン活用概要

具体的には、次のようなドローンの農作業活用を推進するとしています。

  • 農薬散布
  • 肥料散布
  • 播種
  • 受粉
  • 農産物など運搬
  • ほ場センシング
  • ⿃獣被害対策
  • 情報収集、発信

参考:農林水産省『令和3年度農業分野におけるドローンの活用状況』

これらの業務で、ドローンを用いることが期待されています。機体登録や免許制度など、ドローンをめぐる環境が整えられる2022年度、農業分野でもドローン活用の準備が加速するとみられます。

農業の課題

農業分野の課題を、スマート農業で解決することが期待されています。「スマート農業」とは、AIなどのテクノロジーを活用した農業のことです。生産現場の課題を先端技術で解決することを目指します。

農業分野の課題には、次のようなものがあります。

  • 農業従事者の減少、従事者の高齢化などによる労働力不足

人手不足により、 1人当たりの作業面積は拡大しており、従事者の負担が大きくなっています。高齢従事者の多い農場では、体調不良により農作業がストップしてしまう可能性も高まります。

  • 農業は新規参入が難しい分野

農業知識はもちろん、トラクターや農業機械操作などの技術を要する作業が多いため、農業は新規での参入が困難な分野です。新たな従事者の流入が少なく高齢化が続いている状況です。

  • プロフェッショナルな作業が多い

農業は、そもそも難しい作業が多い分野です。農作物の選別や危険を伴う作業など、機械化が難しい内容が多く、経験者が現場にいなければスムーズな農作業を営むことができません。そのため、若年層の人材を多数集めることが難しい状況です。

参考:農林水産省『スマート農業の展開について』index-189.pdf (maff.go.jp)

課題の対策

このような作業の難しさと人手不足などを要因とした、農業従事者負担が日本の農業の課題となっていることがわかります。農業では、作業の省力化・人手の確保・負担の軽減が急務なのです。

そこで、ドローン活用を含めたスマート農業では、次のような方法で課題解決を図ります。

作業の自動化(一例)

作業の自動化の1つとして、自動走行トラクターの利用があります。トラクターの運航を自動化するのみならず「ドローンにより空撮した情報」から得たデータも利用します。データにもとづいた適切な農作業(追肥など)を有人または無人で実現できます。

障害物の自動検知など、これまでの自動トラクターの機能に加えて、ドローンによる画像データと、AI連携したフレキシブルな農作業が期待されます。有人走行やリモート走行をする場合にもスマートフォンから指示ができるなど、作業のスマート化も進むとみられます。

結果として、農地の状況判断や肥料量の調節などの難しい作業を省人化していくことが期待できます。

情報共有の簡易化(一例)

情報共有により、短期間での新人教育が効果の1つとして挙げられます。未経験者でも、生産活動を行えるようスマートグラスと呼ばれる機器の着用や、経営管理アプリなどを利用します。

情報を利用することにより、短期間で農業知識を身につける体制づくりが可能になると考えられます。スマートグラスをつけて作業すれば、リアルタイムで収穫時期の判断や、病害虫についての指示を熟練者からリモートで教わることが可能です。

このような情報技術を活用して共有することで、これまで長年かかっていた新人教育を、短期間で行うことが期待できます。

また、別の例として、AIを活用した画像診断があります。ドローン空撮により、葉の虫食い痕を検出したり、害虫発生場所を俯瞰的に明らかにしたりした情報を共有します。さらに、その情報をもとにして、害虫発生付近にピンポイントで農薬散布も可能です。

このように、ドローンとAI画像診断などのテクノロジーを共有することで、エリア全体での害虫被害による損失の予防・最小限の被害に抑えるなどの効果が期待できます。

ドローンで高度経営が可能に

上記は一例に過ぎませんが、農業課題解決にはドローンが収集したデータが活かせることがわかります。衛星による気象データや、ドローンによるセンシングデータなどを利用することで、高度な農業経営が可能になると考えられています。

ドローンは、センシング・農薬散布・追肥など、多くの機能と作業能力を装備しています。今後のスマート農業促進と農業課題解決に、欠かせない存在なのです。

ドローンによるセンシング

まず、ドローンが農業にマッチする理由の1つが「センシング」です。センシング技術とは、センサーによって農地の状態の感知を行うことです。さらに、感知した情報を、分析・数値化など「見える化」することも含まれます。

ドローンによるモニタリング(空撮による観察など)により、農地の状態を可視化できる仕組みはセンサーによる感知です。センサーの種類は、温度・湿度・明るさ・重さ・圧力・振動などがあります。

農地状態の情報元となる、これらの要素をセンサーで感知、データを収集して、効果的な農作業に役立てられます。さらに、AIテクノロジー(分析ソフトなど)と組み合わせれば、さまざまなシーンに活用できます。

ドローンにできる農作業

ドローンにできる農作業

ここまでみてきたセンシングを利用したドローンの農作業例を、農林水産省資料『令和3年度農業分野におけるドローンの活用状況』をもとに紹介します。

ドローンによる農薬散布

これまでの農薬散布の代表的な方法は、ヘリや噴霧機、管理機などを使って農薬を散布する方法です。多くの工程と手間が必要になる上、人への危険もある作業です。

ドローンによる「農薬散布」では、農薬使用量の削減・作業時間の削減、作業負担軽減などが期待されています。ドローンによる農薬散布では、センシングデータにもとづいたピンポイントでの散布が可能です。

現在、スマート農業拡大に向けた取り組みの1つとして、ドローン作業に適した農薬のデータ収集と検証が行われています。

ドローンによる肥料散布

ドローンによる「肥料散布」では、肥料使用量の削減・作業時間の削減などが期待されています。広い範囲での肥料散布は作業負担が大きく、人手不足の農家では、十分に散布が行えないこともあります。ドローンに肥料散布を一任することで、農業の新しいカタチがみえてきそうです。

追肥については、生育状況を空撮用ドローンでデータをとり、生育不良箇所を特定します。データにもとづいて、散布用ドローンを用いたピンポイント追肥を行います。ピンポイント追肥の実証例では、散布機による追肥よりも20%~40%ほど、散布量を削減できると報告されています。

散布機による追肥は、手動と自動など複数の種類がありますが、いずれも人が背負ったり噴射レバーを操作したり、作業負担がかかります。これまでは、農業を熟知したプロ世代が追肥すべき箇所を的確に判断し追肥を行ってきました。

しかし、今後、農業者の高齢化によるプロ世代不在の農業が予想されます。追肥作業においても、データとテクノロジーの活用は不可避でしょう。

また、若い世代が農作業を熟知するまでにも時間を要します。追肥範囲や肥料使用量など、経験の浅さによるバラつきを、ドローン作業がカバーしてくれるので安定した農作物生産を実現できます。

ドローンによる受粉

ドローンによる花粉の受粉も、今後の農業に重要な作業になっていきます。花粉を運ぶ虫の生態系変化や、自然環境の変化などの複数の要因により、人が受粉に介入しなければならない作物があります。

このような作業にも、ドローンは適しています。蜂などの虫を使った受粉でも、人の手による受粉でも、技術はもちろん、コストと時間がかかります。

りんごなど高さのある作物の場合には、人が手動で行う場合、足や腰に負担がかかるのみならず、農業従事者の高齢化で転倒などの危険性も高くなります。ドローンを活用して、作業負担の軽減を図ります。

この他にも、ドローンによる播種(種まき)、農産物運搬、⿃獣被害対策など、多くの農作業シーンでの活用が期待されています。

ドローン導入に必要な知識

ドローン導入に必要な知識

ドローン導入を検討する場合、免許制度なども知っておきましょう。

農薬散布ドローンに免許は必要?

農薬散布を目的としたドローン操縦に免許は必要ありません。ただし、原則として10時間以上の飛行経歴が条件となります。飛行経験は、民間の講習を受けることで実績を作れます。

ドローンによる農薬散布のポイントは、次の通りです。

  • ドローン関連の規則の他「農薬取締法」を熟知した上で行うこと
  • ドローンによる農薬散布は「危険物輸送」「物件投下」に該当する
  • 農薬散布飛行は、原則、国土交通大臣の承認が必要

参考:農林水産省『ドローンで農薬散布を行うためにdrone-132.pdf (maff.go.jp)

免許は必要ありませんが、知識と実績、飛行許可申請は必要ということになります。また、事故発⽣時の対応として、農薬に関する事故は農林⽔産省に報告、 飛行に関する事故は国⼟交通省に報告する必要があります。

ドローンの導入メリット・デメリット

次のようなドローン導入メリットがあります。

  • 農作業の効率性向上
  • 肥料、農薬などの削減
  • 人手不足、高齢化への対応
  • 新人従事者による安定した作業
  • 他テクノロジーとの組み合わせ

一方で、次のようなドローン導入デメリットがあります。

  • 機体の導入、維持コストがかかる
  • ドローン講習費用が高め(10万円以上)
  • 農業の他、情報技術の知識も必要になる

ドローン導入はメリットが大きいとはいえ、課題もあります。特にコスト面は大きな負担です。ドローン導入では、補助金制度を最大限活用すると良いでしょう。 

ドローン導入に使える補助金制度

ドローン導入に使える補助金制度

ドローンを導入する際に使える補助金制度をいくつか紹介します。補助金制度情報は常に変わっていきますので、下記以外にも情報をチェックしてみてください。

ものづくり補助金

経済産業省が実施している補助金制度です。個人の農家ではなく、事業者登録をしている農家であれば、制度の対象となります。経済産業省では、先進的な技術を導入する際の補助制度が、複数用意されています。農業でも該当する制度があるので、情報をチェックするようにしましょう。

強い農業・担い手づくり総合支援交付金

農林水産省が実施している補助金制度です。この補助金には、先進的農業経営確立支援タイプと地域担い手育成支援タイプがあります。

産地パワーアップ事業

農林水産省が実施している補助金制度です。対象者に条件があるので、農林水産省のホームページで情報をチェックしておきましょう。ドローンの機体購入価格の何割かが対象になります。

小規模事業者持続化補助金

商工会議所が実施する補助金制度です。この補助金制度は、サービス業などを対象としたものです。生産した農作物を何らかの形で加工したり販売したりする場合、製造業に該当し補助金の対象になる可能性があります。詳細は商工会議所に直接聞いてみると良いでしょう。

その他

上記に記した補助金制度が、代表的な制度の一例です。補助金制度は、地域ごとに国と連携して行われているものや、事業内容により別の補助金制度が使えるなど、様々な補助金制度があります。

補助金相談先

まず自分の行っている事業がどの補助金制度を使えるのか、またドローン機体の大きさや種類によって使える補助金が異なるのかを知る必要があります。補助金制度の情報を全て集めるには時間がかかります。

地域にある商工会議所に行けば、申請書類と同時に相談方法なども教えてくれます。また、補助金には審査があり、申請書類の書き方によっては落選してしまうことが多々あります。

事業のコンセプトが明確でなければ、補助金をスムーズに利用することができません。申請すれば必ず受けられる補助金と、審査が通れば受けられる可能性がある補助金とを区別して予算を組む必要があります。

これらの詳しい情報についても、商工会議所で相談が可能です。農業が盛んな地域では、役所の窓口などでも相談できるかもしれません。まずは、お住まいの地域の相談窓口を把握しておくことが大切です。

まとめ

ここまで、ドローンが農業分野においてどのような活用が期待されているのか、どこに相談したらよいのかなど、ドローンを農業に活用する際に、知っておきたい基本知識を紹介しました。ドローン農業への興味を持っていただけたら嬉しいです。

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